eternal
俺は今日一日中、空に浮かぶものを観察していた。それは特に太陽や雲の邪魔をするわけではなく、もちろん俺の日常を邪魔してくるわけでもなかった。ただそこに当たり前のようにあるだけだった。
しかし。
俺はある一点だけ不可解な点を見つけた。
それのせいで、俺がいま、教室で1人でいる理由でもあるかもしれない。
***
「よっ、瑞希」
「どしたー?」
「これ、見てくれよー」
「んー?」
今日もいつも通り友人とゲームの話をしていた。俺にとっても、クラスメイトにとっても当たり前の光景だ。
「あ、そいやー」
俺は聞いてみる。
「あそこにある星みたいなやつ、なに?」
「………どれ?」
「あれ」
俺は指をさして説明する。まぁ、微妙な色してるし1回では分からないか。
「太陽と、月しか見えんなぁ。」
「いやいや、そっちじゃなくて…」
俺の懸命な説明に訝しい目を向ける友人。
「お前、昨日ゲームしすぎてオールしただろ。」
「してない。」
俺の頭がいよいよおかしくなったのか。見えない?分かりづらいとはいえ、こんなに説明してるんだから分からないはずがない。
「おーい、お前らー、そこら辺になんかあるかー?」
からかい半分だろう。友人はクラスメイトに声をかける。クラスメイトといえば、
「見えない」「は?」「頭おかしくなったのかよ」と非難の雨を浴びせてきた。
一体どうなってんだ。
再び空を見上げながら、それを視野に捉えて眺めることにした。
そういうわけで、突如頭のおかしくなったクラスメイトをほっといて、その他大勢の(俺以外全員)クラスメイトは、帰宅した。(友人は哀れみの目を向けて去っていった。)
なんで俺だけ。
他にもいないのか?さすがに一人くらいはいるだろ。
ここで、ネットで探せばいいと遅まきながら気付く。
スマホを取り出し、あらゆる情報サイトで探したがそれらしき記事はない。
SNSにでも投稿すれば誰か反応してくれるだろうと思った俺はキーボードへと指を向ける。
ズン。
俺は倒れた。
痛い痛い痛いいたいいたいいたいイタイイタイイタイ…………………………………………
数十秒の頭痛の後、俺は頭痛がなかったかと思うほどの衝撃に襲われた。
スマホが俺の手の中で粉砕している。
世界を見渡せば片手でスマホを壊すやつなど、ざらにいる。
が。貧弱な高校生が力を入れて壊れる代物では無い。
何かがおかしい。
変な星、超人の握力(今はペンすら両手で折れない。)これから増えていくのだろうか。
こんな非日常は認められない。
一刻も早くなんとかしようと思った俺は、何も出来ないと気づいたのは校門を出でからだった…。
終焉のファイナリスト 神崎 榎耶 @abyss0116
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