第8話
「マイマイ!」
あっ。
「トウゴくん」
彼は息を切らして私に向かって来ていた。
「おめでとう! マイマイ」
「えっ? なにが?」
私はトウゴくんに会えてすごく嬉しい。
今、会えると思わなかった。
あとなにが「おめでとう」なんだろう?
「これっ!」
トウゴくんは握りしめた新聞を私に渡してきた。
「えっ?」
私のトウゴくんを想って書いた詩がコンテストで賞を獲ったことが、新聞の片隅に載っていた。
「知らなかったの? マイマイ。自分の詩が選ばれたのに」
トウゴくんは前と変わらない笑顔で笑っていた。
「うん」
「『私はあなたの特別になりたい』ってさ素敵な詩だね。マイマイ」
「うん。ありがとう。あのね」
私は勇気を出した。
だってここで言わなくっちゃまたトウゴくんは遠くに行ってしまう。
「トウゴくんに向けて書いたの。私はあなたが好きです」
トウゴくんはびっくりしてからにこりと笑った。
「マイマイはとっくに僕の特別だよ。僕もマイマイが大好きだ」
トウゴくんの私だけに向けて笑った顔が嬉しかった。
おしまい♪
私はあなたの特別になりたい 天雪桃那花(あまゆきもなか) @MOMOMOCHIHARE
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