第6話

あれ?ここ…そっか、私おばあちゃん家に引っ越ししてきたんだ。


昨日は母も父からも連絡はなかった。

やっぱり私はいらない子だったんだ。


「結衣ちゃんおはよう。起きたかい…着替えて朝ごはんにしようかね」


おばあちゃんは私の部屋のカーテンを開けると下に降りって行った。


私はクローゼットを開け真新しい制服を手にした。


今日からこの制服を着るんだ。


私は、制服を着て髪をセットしておばあちゃんが居る一階に降りた。


私はおばあちゃんが作った朝ごはんを食べカバンを持って玄関を開けようとした時おばあちゃんに声をかけられた。


「本当に1人で大丈夫かい。おばあちゃんも学校まで一緒に行こうか?先生にも挨拶しないと」


おばあちゃんは一人で私の心配をしながら喋ってる。


「私一人で大丈夫です。行ってきます」


私はおばあちゃんにそう言って玄関を開けるとそこには慶吾君が居た。


「あれ?慶吾君どうしたの?」


「結衣と一緒に学校行こうと思って」


そっか、私慶吾君と一緒の学校なんだ。慶吾君と一緒でほっとしてる自分がいる


「慶吾、結衣のこと任せていいかい?」


「結衣のことは俺に任せて大丈夫だから」


おばあちゃんは不安そうな顔で私のことを見てたけどなんだか本当に慶吾君が一緒だと大丈夫な気がした。


「結衣後ろ乗って」


慶吾君は自転車通学なんだ。私が前住んでた所では電車通学だった。


「だ、大丈夫」


なんか慶吾君に近づくの恥ずかしい


「歩いたら30分くらいかかるし結衣が後ろに乗ったくらい大丈夫だから」


いやそう言うことじゃなくて


私は恥ずかしながらも自転車の後ろに跨った。


慶吾君の背中は私なんかより大きくて逞しかった。


そんな後ろ姿をただ私は見つめていた。













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君に恋しました〜初恋 Spica @hizikatayume

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