サンタクロース

サンタクロースについては、この辞典を読んでいる皆さんもご存じであると思います。赤い服を纏い、白い髭を蓄えた老人で、トナカイの引く橇に乗り、クリスマスイブの夜に子供達にプレゼントを届けます。


子殺しの罪を犯した者の子孫にはサンタクロースは訪れません。学校や幼稚園などでサンタクロースが話題になると、どうして自分の家にはサンタクロースが来ないのかと子供が悩んでしまいます。


そこで子殺しの罪人の家系では、父親や母親が代わりにプレゼントを買って子供達に渡します。そして、サンタクロースから貰ったものだと嘘を付くのです。そうすることで、子殺しの家系の子供が苦しむことを防ぎます。


しかし、サンタクロースが届ける品は子供が年齢を重ねるごとに高価になるため、家計の大きな負担となります。そこで子殺しの家系の親は子供が小学校高学年ぐらいになると、プレゼントは父親や母親が買ったものだと告げ、サンタクロースは居ないことにしてしまいます。


一方、それ以外の家系の親はサンタクロースに貰った品について口外しないように子供に言い付けます。高学年にもなればサンタクロースが存在しないように振る舞うという社会のルールを守ることができるという判断ですね。


今の社会では、子殺しの罪人の子孫に配慮することが望ましいとされているため、大人の社会でも多くの人々はサンタクロースが存在しないもののように振る舞っています。しかし、それは多くの先進国において法律等で強制されているわけではありません。


有名なWikiでサンタクロースを調べてみましょう。「伝説の人物」「~とされている」のような曖昧な記述はありますが、「実在しない」という記述はどこにもなされていません。そりゃ、百科事典に嘘は書けないですから。


昔は二十歳になると子どもにサンタクロースに関する真実を告げることが一般的でしたが、最近はその風習も廃れつつあるため、三十代になってようやくサンタクロースが実在したと知る人も居るそうです。

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空想モノゴト辞典 matsmomushi @sakana535

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