第7話 「おとうとはなんでもしっている!?」

あー・・・眠い。


もう朝か。


・・・もう少しだけ寝よ。


そんなことを思っていると、

「姉さん起きてー」


ん、ひろとか、どうしたんだろ?


「姉さんおはよ」

「うんおはよー」


「ご飯できてるよ、早く降りてきてー」

「う、うん。」


え、ほんとにどうしたんだろ。前までひろとの方から起こすとか無かったのに。

恐る恐るリビングに行ってみると、


「あ、さくらおはよー!ご飯できてるから食べちゃいなー!」

「あ、お母さんおはよー」


良かった。いつも通りのお母さんだった。


「ねぇ姉さん、今日久しぶりに一緒に学校行かない?」

「え、いいけど、どうしたの?w」

「いや、たまにはいいじゃん。」

「え、うん・・・。」


「「いってきまーす」」


このセリフを同時に言ったのはいつぶりだろうか・・・。

最近いつも家出る時間ちょっとずれてるからさ。

ひろとと一緒に登校・・・。どれぐらいぶりだろ。


ちらっとひろとを見ると、

「どしたの。そんなジロジロ見て。」

「そんなジロジロは見てないよ!でもさ、こうやってひろとと一緒に学校行くのって久しぶりだな。嬉しい。」


ひろとは何も言わなかったけど、ひろとの頬は赤く染まっていた。

そう、ひろとは照れていたのだ。


でも、ここであまりくっつきすぎるとまたひろとに距離置かれてしまう・・・。

うぅ・・・。もっと話したいけど抑えて抑えて・・・。


「・・・ねぇ、姉さんは好きな人とかいるの?」

「んー、そうだなー、いないことはないけど、付き合いたい!ってはならないかなw」

「そうなんだ。」

「そういうひろとは?」

「俺は今はいないかな。」

「そっか。」



んー話が続かないぃ・・・。どうしたものか・・・。


「あ、もう学校着いた。」

「あ、ホントだ。ひろとと一緒だと早いな・・・。」

「帰りも一緒に帰る?」

「ひろとがよければ。」

「じゃあ姉さんのこと待ってる。」

「わかったーじゃあねー!」

「うん、じゃあねー・・・。」


「あ、さくらおはよー!」

「あ、あかりじゃん!おはよー!今日ごめんね!朝一緒に行けなくて!」

「あ、大丈夫だよ!ってか今日朝弟くんと学校行ってたんだねwどしたの?」

「いや、朝ひろとが私に朝一緒に行かない?って聞いてきたんだーw珍しかったw」

「嬉しかった?」

「そりゃもちろん。」

「でも、話す回数はだいぶ抑えたよ!」

「おお!進歩だね!その調子!もしかしたらさ、弟くん、さくらが話さなくなったから寂しくなったのかもねw」

「そうなのかな?だとしたらちょっとうれしいなw」

「でも!これからベタベタし始めると嫌われちゃうから注意だよ!」

「そうだね!気をつける!あ、帰りもひろとが待ってくれるんだーw」

「よかったじゃん!仲良く帰りな!w」

「ありがと!」



1日の授業が終わり、下校の時間。

昇降口まで行くとひろとがいた。


「ごめん待たせた??」

「いや、大丈夫だよ。行こ。」

「うん。」


帰りも一緒に帰るのはほんとに久しぶりだ。


「ねぇ、姉さん。」

「どうしたの急に改まったように・・・。」

「昨日の夜からあんまり話さなくなったけど、なんかあったの?」

「え!?いや!?と、特に何も無かったけど・・・。」


バレてた!?え!?うそ!?


「あからさまになんかあったような反応じゃん。なんかあったんでしょ?」



「あのね、実は・・・。」

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おとうとがすき! なお @naonao-0101

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