第6話 「おとうとめせん!」
あーうざい。
最近これが口癖になってきてしまった。
だって、朝から姉さんに乗っかられると流石にうざいって思うでしょ?今俺その状態。
・・・って誰に話してるんだろ。俺。
正直、毎日毎日くっつかれたり甘え口調で話してくるのやめてほしいんだよね。
って思いながら今日の学校が終わって、
「ああ、帰ったらまた姉さんにベタベタされるんだな」って少し憂鬱になりながら家に帰った。
「おかえり!早いねー!」
「ただいまー。うん、テスト前だから部活も無いし。」
「あーそっか!」「うん。」
「おやつあるけど、食べる?」「おう。」
今日のおやつは、・・・っとその前に手洗ってっと。
そういえば昔は俺が姉さんに注意したこともあったっけな。
ふと鏡を見てみると、そこにはニヤケ顔の俺がいた。
え?なんで俺そんなニヤけてたんだろ・・・。
いいや!早くおやつ食べよっと。
「いただきまーす」「召し上がれー」
今日のおやつはケーキだ。うん。おいしい。
お母さんのすごいところはこういうのをいつも手作りしてくれるところだ。
この家で市販のケーキはほとんど見たことがない。
「ごちそうさまー」
「どう?おいしかった?」
「うん!いつもどおり美味しかった!」
「それなら良かった!・・・最近なんかいいことあった?」
「え、なんで??」
「だって、なんかニヤけてるもんw」
「そ、そんなことねぇし。あるとしたらお母さんのケーキが美味しかったからじゃない。」
「それなら私はすごく嬉しいわね。ささ!勉強してきちゃいな!」
「はーい」
お母さんとだったらこんな感じでいつも喋れる。
でも、姉さんとはなぜか話せない。
どうしても「うざいな」ってなっちゃう。
はぁ、なんでなんだろ・・・。
勉強も終わり、お母さんが、
「そろそろご飯よー!降りてきなさーい!」
「はーい!」
リビングに降りていったけど、まだ姉さんは帰ってきてない。
・・・とりあえず座っとくか。
ガチャッ
「ただいまー」
「おかえりー!さくら遅かったわね!ご飯できてるよー!」
「はーい!」
あっ、帰ってきた。
「ただいまー」「おかえりー」
・
・
・
あれ?これだけ?
いつもみたいにべったりくっついてくるかと思ったんだけど・・・。
まあいいか。いつもより静かな方がいいし。
そんな事考えてたらお父さんも帰ってきた。
「「「「いただきます」」」」
いつもみたいに速いペースで食べ進めていく俺。
もうこの歳にもなればこのペースが速いのはわかってる。
でも、もうクセになってしまったから直しようがない。
・・・それにしても姉さん今日話さないな。
今までこんなに話さない日は無かったんだけど・・・。
なんかあったかな・・・。まあ問い詰めないでおくか。
その後はみんなでテレビを見た。
やっぱりみんなで芸人ネタとかを見るのは面白いよなw
と思ってたら姉さんは途中で2階に上がっていった。
まあもう受験も近いしな。
俺も勉強しよっと。
カキカキ
「えっとy=x2乗のグラフはこうだよな・・・。」
そういえば昔は姉さんに教えてもらってたな。
「ここがわからない」って言ったらいつも「私にまっかせなさい!」って言ってたっけw
・・・今日の俺どうした!?いつもはこんなに姉さんのこと考えてないのに!
いいや。もう今日はお風呂入って寝よ。
んー!お風呂ってやっぱり爽快だよね!
湯船に浸かると疲れが取れるし!
そんなわけでお風呂も上がり、歯を磨いて、布団をかぶった。
んー、姉さんが距離を置き始めてんのかな・・・。
まあ、そのほうが俺は気が楽か。
「おやすみ・・・。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます