転生し、最強となる
@jsreipu
第1話
......ここは病院だろうか?
俺は確か高校に行く途中で車に轢かれたんだよな。生きてたのか。目を開けると二人の男女がこちらを見ていた。
「やはりバートは俺に似てかわいいなあ」
「いいえ、私の方が似てるわよね〜バート?ほら、鼻の形なんか私にそっくりじゃない」
「うむ、しかし口の形は俺に似てるぞ」
何とも仲の良さそうな夫婦って感じだな。
って、あれ?なんか体が小さいような、しかも抱かれている感覚がある。
まさか、バートって俺のことなのか⁉︎
「うーん。起きたのに全然泣きも笑いもしないが大丈夫なんだろうか?」
「そうねぇ。赤ちゃんは普通泣いたり笑ったりするわよねぇ」
やばい、怪しまれてしまった。とりあえず笑っておくか。
「キャッキャッ」
「おお!笑ったぞ!」
「ふふっ、心配して損したわね」
これで大丈夫だろう。
さて、赤ちゃんになっているってことは、俺は死んでしまったんだな。
あの時、子供が赤信号を飛び出して車に轢かれそうになったところを、助けようとして轢かれたんだよな、子供も含めて。
......はぁ。せめて子供だけでも助けたかったんだけどな、上手くいかないもんだなぁ。
結局ドライバーの人にも申し訳ない事をしたし、親にも迷惑をかけることになってしまった。
俺に力があれば、人を助けることの出来る力があれば。そうすれば皆が幸せになれたのに。後悔してもどうしようもないが、あまりにも悔しいなあ。
「バートは大きくなったらどんな男になるんだろうな」
「きっとすごくかっこよくなるわ」
「俺の子だからな」
「......ま、まあかっこいいかはともかく、歴史に名を残すようなすごい魔法士になるかもしれないわよ」
「うんうん。もしくは、史上最強の剣士になるかもしれないな」
魔法?じゃあここは異世界なのだろうか。
「まあでも、俺たちは平民だからなあ」
「厳しいわよねぇ」
「とにかく!どんな男になってもいい!元気に育ってくれればそれが一番だ!」
「そう!そうよね!」
うーん。やっぱり貴族の方が強くなりやすいとかあるんだろうか?
いやいや、努力すれば何とかなるはずだ。
よし、決めたぞ!
期待してくれている二人のためにも、前世で人を助けられなかった悔いを晴らすためにも、今度こそ人を助けられるような強い人間になってやる!
転生し、最強となる @jsreipu
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