夏休みに毎日図書館へ通う少女・門脇ゆみり。人付き合いが嫌いな彼女の楽しみは、本を読むこと。
夏のある日、いつものように図書館の一角で物語の世界に没頭していたゆみりに、同い年の一人の少女が声をかけてきた。
「ーーお隣良いでしょうか?」と。
本が好きで内向的な少女・ゆみりと、本を読むのが苦手で活発な少女・なつみ。正反対の二人が出会い、物語は動き出します。
小学生の夏休み独特の、あのどこか懐かしい雰囲気に包まれながら、なつみとの出会いによって少しずつ成長してゆくゆみりの心情変化が丁寧に描写されていて、読んでいてとても惹き込まれました。とても上質な児童文学を一冊読んだ気分です。
かつて本が大好きな小学生だった方、夏という一つの季節を通じて成長してゆく主人公の物語が好きな方々に、とてもおすすめしたい作品です。