異類婚姻譚的なアレというと、イメージとしては山の神への人身御供とかのイメージが出てきますが、このお話の女の子は「キターーー!」と喜んで行くタイプの妖怪オタクです。そして異類婚姻譚的なアレのお相手がオオカミ。この彼がカッコいいです、ツンデレです、その割にはオオカミです、積極的です、でも慎重です。何を言っているか自分でもわかりませんが、このオオカミのギン君の思いがまた切ないところで、読んでいるうちにウルッときます。
そして作者様の作品には必ず出てくるちょっとヤバ目な感じの、ゾクッとくるキャラの人。今回も出てきます、そして読者を恐怖のどん底へと誘ってくれます!
さて祭りのための形式的な契りとはいえ、体液の交換(これだけ読むとイヤラシイ)をした朱里とギンですが、本当に結ばれるためにはどうしたらいいのか。二人で考えながら愛を深めあっていく様子が見どころです。異なる種族同士が結ばれるために本当に必要なことを見つける二人を、どうぞお楽しみ下さい。
最後にこれだけ一言、カワウソーーーーー! なんて可愛いんだ!!
妖怪オタクの女子高生が、妖怪のお嫁さんになっちゃった!
しかもその妖怪がイケメンときたら……もうウッキウキのワックワクが止まりません!!
しかし異類婚姻譚って、意外と悲恋に終わること多いですよね。
そもそも結婚の理由が「ヤマヒメ」なる大いなる力を持つ妖怪を迎えることであったことに加え、ヒロインの朱里の家の事情もあって、かなりホラーな展開もあります。
そのため形式的な結婚から始まったとはいえ、徐々に心を通わせていく二人に待ち受けるのはやはり悲劇なのではないかと、密かに不安を抱えながら読み進めておりました。
ところが、そんなことも吹っ飛ぶキュンキュン展開が炸裂!
そして、種族は違えど互いを深く強く想い合う二人の絆にキュンキュン通り越してギュンギュンが止まらなくなりました!!
読み終えた今の私のニヤニヤ顔を見れば、どのようなラストに辿り着いたかわかると思いますが…………敢えて言いましょう、最高のハッピーエンドであると!
最後に、もう一つだけ言わせてください。
カワウソが可愛いです。カワウソがすごく可愛いです。カワウソがとんでもなく可愛いです。カワウソが可愛くて可愛くて、可愛いがカワウソです。
高校生の鈴原朱里は、気軽な気持ちで、田舎のお祭りにて『ヒメミコ』の役を引き受けてしまう。が、この『ヒメミコ』、じつは妖怪と夫婦になる役回りであったのだ。
ちょっとツンデレな旦那様の妖怪と、じつは妖怪マニアである朱里。二人はお祭りの間だけ夫婦としての契りを結ぶことになるのだが……。
田舎で執り行われる、何百年も続く祭儀。人には見えない妖怪たち。山をおとずれる強大な神様。妖怪なんて見えないけど、伝承通りに動こうとする村の人たち。そして愉快に祭りを楽しむ妖怪たち。
可愛かったり、ドキドキしたり、ハラハラしたり。各エピソードごとにメリハリのある演出が、読者を飽きさせません。
しかし、果たして人と妖怪が婚姻することなどできるのでしょうか? じわじわと心の距離を詰めてゆく妖怪の旦那様と女子高生の朱里。けれど、二人の間には種族の違いという、越えようにも越えられない現実が横たわり……。
本作は、想い合う二人がそこにひとつの結論を出すまでの物語なのですが、それは長い長い婚姻譚の序章でしかありません。
この物語の続きは、どうぞみなさんでご想像ください。永遠に生き続ける妖怪と、百年にも満たない寿命の人間と。果たして二人は添い遂げることができるのでしょうか?
その解答はきっと、ギンと朱里が出してくれることでしょう。
最初は祭りの儀式でしかなかった婚姻が、いつしか本当に……。
朱里ちゃん(十六歳)とギン(狐)は、祭りが終わった後も夫婦であることを誓い合いますが、彼女たちには種族の垣根が……。
と思ったんですけど、多分種族ってあんまり関係ないかも。
人間と妖怪の間で一番ネックなのは寿命ですが、人間同士だって残された方の数十年は数百年と似たような感覚です。
妖怪と人間の文化の違いも、人間同士だって、国際結婚とまで行かなくてもよくあることですし。どちらかの生活に付き合うと、片方が無理してしまうことはよくあります。
だからきっと、いかに分かりあおうとするか、自分たちなりの方法を見つけられるか、ってことなんだろうなー、とこの作品を読みながら思いました。
……自分の意見が長くなってしまいました。
この作品の内容は、
「とにかくかわいい! 初々しい夫婦!! かわうそ!!
ためになる妖怪豆知識!!
背後から近づく恐怖!!
とってもカッコイイ黒狐さまが容赦なく悪をフルボッコ!!
二人の危機にお助けキャラが登場! その人物の背景が明らかにされた時、ホロリと切なさと優しさが運ばれる!!」
となっております。
恋愛、ホラー、民俗、感動を求める方、この作品にはそれがつまってますよ~!
百年に一度、山を御幸するヤマヒメを迎えるための村の祭りで、ヒメミコ役をすることになった朱里。
ヒメミコの役目は、ヤマヒメを歓迎するために……妖怪と結婚すること!
朱里のお相手は、妖怪である精悍な青年・ギン。
はじめはお互いに憎まれ口を叩きあっている二人だけれども……。
きゅんきゅんする恋愛要素も、はらはらするホラー(?)要素も、うるっと泣ける要素も、可愛いもふもふだって、もう、いろんな要素が贅沢に詰め込まれた一作です!
特に、もふもふ可愛いカワウソくんには、思わず癒されてしまいます……( *´艸`)
人と妖怪。
本来ならば、相容れぬ二人が歩んでいく道を、どうぞ見守ってください(*´▽`*)
カワウソくん可愛いよーっ!
……いきなり失礼しました。レビューだと言うのに、いきなりこれでは何のことだか分かりませんよね。
ですがこの話の魅力を語る上で欠かせないのがこのカワウソくん。主人公朱里は夏休みの間母の田舎で暮らすことになったのですが、そこで様々な妖怪達と出会います。登場する妖怪は古狸や野衾など様々ですが、中でも特に存在感を放つのがこのカワウソくん。
愛らしい見た目としぐさ、性格。どれをとっても非常に可愛くて、読んでいて癒されること間違いなしです。妖怪といえば怖いものと思っている人も、このカワウソくんを見たらそんな考えはすぐに吹っ飛んでしまうでしょう。
そしてもう一人重要なのが、オオカミの妖怪のギンです。カワウソくんがこの話の癒し担当なら、彼は恋愛担当です。
百年に一度のまつりが開催されるのですが、それを進める上で、朱里とギンは夫婦にならなければいけなくなります。夫婦と言っても、祭りの間だけの便宜上の夫婦。祭りが終わればそれまでの関係です。
ですが近くにいた二人は、だんだんと惹かれ合っていくのですよ。
可愛いカワウソくんに、素敵な旦那様。何とも楽しい妖怪ライフなのですが、残念な事にそんな幸せだけでは終わりません。何と言っても人間と妖怪、住む世界も常識も、種としての在り方だって違います。互いに思い合っている朱里とギンにも、やがてそれが大きな壁となって立ちふさがります。
異類婚姻譚が好きな方。カワウソくんに癒されたい方。どうか、この妖怪たちの世界を覗いてみてください。
夏休みの間、母の田舎で生活することになった高校生の女の子、朱里。
山のふもとにあるその村では、百年に一度の祭りが行われようとしていた。自治会長さんたっての頼みで、朱里もその祭りにに参加することになったのだけど、そこで待っていたのは何と妖怪。この祭りは、妖怪の姫を迎えるためのお祭りでした。
いきなり妖怪なんて現れたら、普通の人は怖がるでしょう。だけど朱里は怖がりません。それどころか喜びます。なぜなら彼女は、妖怪大好きな妖怪オタクだったから!
タヌキの妖怪、カラスの妖怪、とっても可愛らしいカワウソの妖怪。たくさんの妖怪たちがいて、テンションが上がります。そんな妖怪達の中に、高校生くらいの黒装束の男の子がいました。実は彼は……彼と朱里は、このお祭りである事をしなければならないのです。それは……
「異類婚姻譚的な、アレですか……」
「異類婚姻的な、ソレだ」
と、言うわけで、結婚しなければならないのですよ。妖怪の男の子と。
結婚と言っても、あくまで形式的なもの。お祭りが終われば、婚約は解消です(バツイチになると言うわけでは無いのでご安心を)
だけど、形式的な結婚のはずなのに、二人は段々と惹かれ合っていって……
妖怪オタクな女の子が、大好きな妖怪と触れ合う今作。妖怪もののお話が好きという方は、是非読んでみてください。
個人的には、カワウソくんが凄く気に入りました。この作品のマスコット、カワウソくんをよろしくー!