女子高生がっ! 妖怪とっ! 結っ婚っ!

  

 高校生の鈴原朱里は、気軽な気持ちで、田舎のお祭りにて『ヒメミコ』の役を引き受けてしまう。が、この『ヒメミコ』、じつは妖怪と夫婦になる役回りであったのだ。

 ちょっとツンデレな旦那様の妖怪と、じつは妖怪マニアである朱里。二人はお祭りの間だけ夫婦としての契りを結ぶことになるのだが……。


 田舎で執り行われる、何百年も続く祭儀。人には見えない妖怪たち。山をおとずれる強大な神様。妖怪なんて見えないけど、伝承通りに動こうとする村の人たち。そして愉快に祭りを楽しむ妖怪たち。

 可愛かったり、ドキドキしたり、ハラハラしたり。各エピソードごとにメリハリのある演出が、読者を飽きさせません。

 しかし、果たして人と妖怪が婚姻することなどできるのでしょうか? じわじわと心の距離を詰めてゆく妖怪の旦那様と女子高生の朱里。けれど、二人の間には種族の違いという、越えようにも越えられない現実が横たわり……。

 本作は、想い合う二人がそこにひとつの結論を出すまでの物語なのですが、それは長い長い婚姻譚の序章でしかありません。
 この物語の続きは、どうぞみなさんでご想像ください。永遠に生き続ける妖怪と、百年にも満たない寿命の人間と。果たして二人は添い遂げることができるのでしょうか?
 その解答はきっと、ギンと朱里が出してくれることでしょう。




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