屋上から

0話

____｢どうも、初めまして。常田灯です。引っ越してきたばかりで慣れないことばかりですが、どうか仲良くしてください」

私は、いつもそうだった。

｢ねぇねぇ！常田さん！灯ちゃんって呼んでもいい？」

｢もちろん！よろしくね」

私は何時も見て見ぬふりばかり。教室の隅から聞こえる罵詈雑言たち。

｢お前ホント、なんなんだよ！」

｢バイ菌うつしにきてんじゃねーよ！」

本当は、耳を塞ぎたい。助けてあげたい。でも、私はきっと思うだけ。行動なんてできない。私が標的になりたくないから。

だから、私は

｢……ちゃん、灯ちゃん…！」

｢あ、あぁ、ごめん！どうしたの？」

「もぉー、あ！もしかして、少し緊張してる？」

｢あはは、そうかも」

今日も、本当の私を隠して、アイソワライ