主人公はあくまでも「気障を気取っているわけではない」とするがどことなく気障に思えるのは、なるほど嫌味がないからであり、言うなれば『せめて少しはカッコつけさせてくれ』といった態度だ。気障特有の技巧的な言い回しと、写実的なドライブ描写のバランスもいい。ロマンティックな世界観を、しっかりと物語化しており感慨深い作品。