残酷描写有りという言葉が本作を読みづらくさせていますが、タグの「閲覧注意」「後味悪い」の文字も衝撃的です。
勇気を出して読んでみた感想は、こうくるのか!?という驚きが強いです。
私は一人納得しました。「あぁ。この表現があるからこそ、ラストで涙がじわりと浮かんだのか」と。
作品情報にあるとおり、本作にかわいさはありません。しかし、読み返さずにはいられなくなくなってしまう力を十分すぎるほど持っています。
よく練られた物語ゆえの閲覧注意だと思うのです。私は。
それでもこの冷えた手が。
二重の意味が込められた手の冷たさに、ほのぼのとさせられたり切なくさせられたりします。
良作と出会うためには、それなりの覚悟がいることを思い出させてくれました。
コントラストの差が激しいからこそ、残酷なほど綺麗で愛おしい余韻を生むことをお忘れなく。