生きているように死んでいる
耳に覚えのある女の声が、俺を
それまでいた世界が、水にたらした絵の具のように溶けて薄まる。薄い色の水は化学反応が起きるかのように別の色、複数の色彩へと変化し、濃度をすみやかに増していき、世界を構築する。
見覚えのある女の顔が、俺の新しい世界でぼんやり焦点を結ぶ。
肩までのさらさらヘアーのてっぺんに、ピンクのデカリボンを臆面もなく乗せた女の子が、俺を「勇者様」と呼んでいる。
勇者。
ああ、そうか。夢を見ていたんだ。
保谷の古くて小汚い都営住宅のアパートで、俺自身を含めたろくでもない家族と飯を食う夢。
夢のなかでまで夢見た異世界の勇者に、夢から覚めたらなってるなんて、どんな冗談だよ。
長年、さんざん夢想し続けた夢のかなう
ベッドわきでやれやれと安堵する第一と第二、ふたりの使徒の顔を見て思い出す。
ああ。クソな現実から異世界にはたしかに来られたよ。死んじまったのに生きている、なんておかしなことにはなってるが。
黒と黄金色、二色の髪の少女ふたりに軽んじられ気味のなんちゃってハーレムだが、お約束のシチュにはなりつつある。
あともう少しぜいたくを言わせてもらえるなら、この超絶クソステータスをどうにかしてくれると非常にありがてーんだが。
念のため、ステータス確認をしてみて俺は嘆息する。
【アルタイル クラス:勇者 レベル:一】
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俺 た ち の 戦 い は こ れ か ら だ ! !
長い間、応援ありがとうございました!
みさわみかさ先生の次回作にご期待ください!
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【未完のお知らせ】
投稿サイトでの反応も薄く、公募の戦績も振るわずモチベーションが尽きたため、ひとまず未完とさせていただきます。
受賞・そうとうなブレイク・突如のやる気の出現、のいずれかが奇跡的に起きた際には再開いたします。まあ、ないと思いますが。
いないでしょうが、万一、続きを楽しみにしていらっしゃるかたがおられましたら、申しわけありませんでした。
さぃょゎゅぅしゃ みさわみかさ @primenumber
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