詐欺師は泳がない
いある
意味が分からないよ
これはとあるセッションの記録。そもそもこれは小説ではないのかもしれないがもはや今更設定を弄る気にもなれないのでこのままお送りしていくことにしようと思う。
某卓で行われたセッション。コウノスケ氏制作の『ノースマウンテンの怪奇』というシナリオを使用し、KPを含めて三人で行ったものだ。
その中でこの事件は起こった。
PL1。彼の名は服部平〇。もはやこの時点で明らかに問題な上に職業は詐欺師。極めつけは職業技能として取得した技能は『水泳』。
そして雪山に佇むペンションの前にたどり着いたPL1が放った言葉がこれである。
「雪ってさ」『はい』「水だよね」『…はい?』「水泳を試みます」
水 泳 を 試 み ま す ? ? ? ?
この僅かな文章の間に絶望的なまでの情報量があったことはもはやお判りいただけただろう。これはもはや事件である。いやまぁ最初から事件とは言っているんだけれどもそれはそれとして。
そのセッションに参加した二人のPL、そして不参加だったもう一人のPLは『詐欺師は泳ぐだろ』の一点張り。
何なの?俺がおかしいの?でもどうして詐欺師をやっていて水泳が上達するの?
私の頭は疑問符で埋め尽くされていた。確かに私のキーパリングとしては『PL全員が納得して楽しめるなら何を持ち込んでも良い』ということにはしている。
TRPGとはその自由さゆえに本来の目的を見失いがちだが、その基本はあくまでみんなが楽しめるかどうかであり、それを実現するために在るのがシステムやルールだ。
もしみんなが楽しめるのであれば日本刀だろうが拳銃だろうが好きに持ち込ませることにしよう。
だがまってくれ。この時ばかりは私も焦った。何せ意味が分からない。
これまでは『ヤクザ関連の闇医者なんで拳銃いいですか』「許可しよう」
『海外で暮らしている時期があって、そこで拳銃覚えたってことでいいですか』「許可しよう」みたいな人達ばかりだったんだ。
確かに水泳はゲームバランスを崩壊させるほどの強力な技能ではないし、戦闘においても強力とは言い難い。かといって探索で生かせるかどうかと言えばそれもまた違う。
それでも尚、私はおかしいと思う。
だからこそ今ここに宣言しよう。私の意思をはっきりとさせておこう。
『詐 欺 師 は 泳 が な い』
詐欺師は泳がない いある @iaku0000
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます