第51話 きょうきのはつめいかたち

「ではツラライサン。お願いしマス」


 ジナ先生がそう言うと砲筒型バナッチを両腕に抱えてた女子生徒は銃で言う引き金に当たる部分を動かし……次の瞬間、今回用にオウカから提供されたブロッサム目掛けエネルギー弾が三連続で射出され、ブロッサムは静止状態なので全て命中……


 ようの装甲は鋼鉄製だけどブロッサムのボディは鉄と互換性の高い培養金属からなる合金製で……メインカラーの深みのある赤紫色は暗さと濃さの絶妙な加減により上質感を湛えてる……ちなみに、塗装するだけで反発力や強度とかが上がったりする技術方面の競争力は今もアダムがトップだよ。


 ネザーソード社は有用な技術を見つけては買収し、その権利の管理に重きを置いて収益源を確保してる感じで……エトワ博士のような優れた科学者が存分に研究出来る開発環境を整える事に余念が無いし、それを充実させる事で、競争力の高い新製品が偶発的に生まれ易いようにして来たわけです。


 さて……このブロッサムにもある程度前述の塗装技術が使われてるので、放たれたエネルギー弾3発を受けてもブロッサムは何事も無かったかのように直立してて……被弾箇所には傷ひとつ無いね。


 そんな3連射が終わって女子生徒がバナッチをチャージモードにするとブヨブヨしてそうな形状の砲口の内側というか咥内でエネルギーが球状に集積され始め……それと共にバナッチ本体も過熱されて行き、膨らむそのエネルギーが砲口から溢れ出ると思えそうにまでなった矢先――


 後ろで控えてたルクス2名が飛び出し、1人は女子生徒からバナッチを奪い取り、もう1人は女子生徒を抱えて塔子たちのいる所まで避難させ……残った方のルクスがチャージを継続。


 程なく構えてるバナッチの砲口から、その口径を優に超える太さの熱線が放たれ、射角補正の指示を受けたルクスによる射撃はブロッサムを直撃すると共に眩い光で包み込む……再びブロッサムの姿が現れるまで結構時間が掛かったから、かなりの量の熱線でした。


 高熱の光に飲まれて熱せられたブロッサムの装甲では表面の付着物が蒸発し至る所で音と煙が立ってて……一見すると損傷は無いようだけど……ここでリオナの制御によりブロッサムが動き始め、全体の稼働具合を確かめるような動きをした末、所々でパフォーマンスが低下してる事が確認されたので小破という判定が下ったよ。


 ちなみに今いるのは学園の敷地内の中でも広くて運動競技などに使うグラウンドのような開けた場所……でもここで重要となるのはさっきまでバナッチを抱えてた女子生徒が魔法を使えない事――


 最大出力でやっとブロッサムに損傷を与える事が出来た砲筒兵器は自らが放ってた熱量に耐え切れず細胞組織の連結が崩れ去ったかのようにドロドロと溶け落ち、今や原型を想像するのは無理って言いたくなるくらい……


 だからこの攻撃は一度しか出来ない単発式で、発射中もずっとバナッチを抱えてたルクスの両腕は大火傷状態……この大技の使用を前提とするなら歩兵が扱う携行武器には出来そうにないね。


 なかなか酷い火傷を負った方のルクスは塔子たちのいる場所まで戻るとヒーリングシールドを展開し自身を覆う……バリアを展開してるように見えるこの魔法は実際かなりの防御力があり持続性もヴェノス出発前に塔子がこの魔法であんじょう雲雀ひばり西にしごおり灯花ともかから100分間の射撃魔法を受け続けてバリアの強度を維持してた程……


 それもずっと魔力を送り続けてたんじゃなくて初回の分だけでね……このバリアは魔力を送って補強したり重ね張りしたりも出来るよ。


 そんなヒーリングシールド展開中は自らが負っている傷に限り治癒作用が促進される感じなので、結構な火傷だけどいずれ回復するでしょう……ルクスの場合は塔子より回復速度と補修性能が落ちてるけど……


 さて、大半が地面に溶け落ちてしまった砲筒型バナッチは全長1メートルはある大振りサイズだった……今は小破したブロッサムが待機してた別なブロッサムと入れ替わり、暫くして女子生徒がそのブロッサムに照準を合わせる状況になってて……今度は違う砲筒型兵器を抱えてる。


 こっちの砲筒はさっきのより大きさがもう一回りあるかな……バナッチとは異なる兵器で、ある程度デザインされた左右対称のフォルムは宇宙空間を航行する戦艦も務まりそうな形状だけど……


 そのボディはメタリックシルバーを維持しながら深みのある青紫を湛え、この色とよく馴染む濃さと艶加減の赤紫色が所々に結構あって……そんな赤紫より少ない分布具合でボディと同じ反射加減の金色部分まであるね。


 そんなメタリックな砲を女子生徒がブロッサムに向けてるんだけど……ここへ来てブロッサムが紫色のドーム状のものに包み込まれたかと思うと半球状のそれは更なる拡大を見せ……一戸建ての家とその周囲が容易に入りそうな規模にまでなり、ドーム表面が激しく沸騰するかのように荒ぶる……


 その内部で大きな爆発が何度も起こってる事が判りそうな音が聞こえ続け……そんな状態が収まる頃に現れたブロッサムは変形箇所が大いに目立ち、至る所で漏電……ひと目で中破以上の損傷を受けてるのが判るね……ここでジナ先生が発言。


「ありがとうございました、ツラライサン……報酬はもう振り込んでありマス」


 程なく女子生徒が一礼し、さっき火傷を負った方のルクスに連れられ、その所々が癖毛で跳ねてる赤と白の中間くらいの色をしたボブカットの髪をなびかせながら移動床のある場所目指して去って行きました。


 何故魔法の使えない生徒がルクスの魔法である『ダークエクスプロード』を放つ事が出来たのか、一連の行いは何が目的で何の意味があるのか……それらの説明の全てを昨夜学園長から聞いてた塔子は繰り広げられた光景に対して何ひとつ疑問に思う事が無くて……これで自分の番が来たからと、その行動に移ります。


 目測中破のブロッサムは交換されず、塔子はさっきの砲筒と同じくらいのサイズでメタリックな別の武器を残った方のルクスから手渡され、それを抱えてブロッサムに狙いを定めてる……今度の砲は左右対称ではあるけど気持ち程度に形を整えた簡素な形状で、赤味掛かった金属による単色デザイン。


 程なく塔子が抱える砲筒型武器はブロッサムを包み込むようにダークエクスプロードを発射――と言うより発生させたんだよね、武器自身が……


 規模はさっきより小さめだったけど、損傷の激しいブロッサムにトドメを刺すには十分で、爆発により真っ先に抉り取れた方の前腕の先にあったガトリング部分が重たそうな音と共に地面に落下するや、下腿部分が吹き飛んだ方の膝から体勢が崩れて、漏電が一層激しくなり爆発……


 と言いたいけど、その辺のセーフティーは充実してるので、瓦礫の様に積み重なるだけに留まったよ。


 ところでダークエクスプロードが放たれてる間、砲筒の色が次第に赤味を増してってたんだけど……その様は何だかボディ内部から表面へと赤い色が浮き出ては染み込み広がって行くようで……撃ち終わった今、金属ボディ全体まで亀裂が走って来たので、すぐにでもその隙間から赤い液が噴き出しそうな様子だったけど……


 それより早くボディの方が目の粗いヒビに沿って全体規模で砕けたから、中の赤い液体の大部分が塔子の体と制服に盛大に掛かります……しかも射撃直後に塔子は砲筒を自らの両腕で包み抱き寄せてたから顔と胴体にはより多く浴びる事になったね。


 そんな光景を見て、エトワ博士とジナ先生が会話を始めます。


「多分……塔子ちゃん以外で作ると……一発でこうなる」

「あー……本来は一度で崩壊するのをあの回復作用で誤魔化してる感じデスか」


「ルクスは塔子ちゃんと違って自動修復する度に次の回復力が弱まるから、あの武器も同じ。撃てる回数は一度の戦闘で使い切れないくらいあるけど、どの武器も最終的にはこうなる」

「確かに商品化するなら残念な研究結果デスね……でもジナサンには大変素晴らしいものが見れましタ! 魔法が使える者をオリジナルにリデューサーを作れば魔法が使えない者でも魔法を放てるバイオ兵器が作れる……ジナサンも作ってみたいデス!」


「ジナちゃんは本当に……作りたいだけなんだねー」


 自分よりもジナ先生を放置してる方が遥かに危険だって感じの事をロットナー卿が発言してたね……優れたハッキング技能はその頭脳の高さの副産物に過ぎず、バイオ技術と戯れる事を何よりの至高とする……それがジナスイーダ・エリエニコフ……


 仮にジナ先生が人型バイオ兵器を作った場合、その兵器で何かしたいわけでも無く『人型バイオ兵器という代物を作り上げた』段階で目的は達成……それをどう扱うか扱われるかは全く考えていない……そういうタイプの科学者です。


 目的となる機能を残し、不要となるものは取り除く……それがリデューサーなわけだから今回はルクスから『ダークエクスプロードという機能』だけを残し、他の機能つまり人体の形状と人間としての自我を取り除いて武器に特化させた感じだね。


 近年主流のリデューサーと言えばヒトの脳から人体の各部位の動作を担う箇所だけを取り除き、思考だけに特化するよう再構築したものがあって……これにより脳内のデータをデジタル化する際の容量の大幅な削減を実現……


 結構昔からある技術だけど商品規格としての流通と開発が行われるようになったのはイーリスが登場しオウカが市民位を作ってからだね……ところで塔子がエトワ博士に話し掛けてます。


「博士。この子は……?」

「現存する試作品段階に作った子たちの中で一番長生きしてる子。限界弾数調査の際に他の子よりも頑張った強い子だから、最後は塔子ちゃんの腕の中で生涯を閉じさせてあげるのもいいかなぁ……と思って、連れて来た」


「そっかぁ……」


 そんな塔子の返事というか呟きは何かしらの感情は乗ってるものの、納得したという気持ちがほとんどといった感じ……ここで昨日塔子がした学園長との会話を紹介しようか……ここからがいいね。


「要するに弾だね」

「弾?」

「銃の弾丸の事……あ、です。兵器とは何かを考える時は銃の事を考えればいいって博士が……」

「なるほど……銃の中でも弾は使い捨てよね」


「銃本体は壊れるまで何度でも使ってもらえるけど……弾は一度使ったらもう、お役御免……他の弾が役割を引き継ぐ」

「そういう事ね……では自分の可愛い妹を弾にされた感想は?」


「わたしたちは兵器だから……銃も弾も兵器だから……兵器として作られた使命を果たしたまでです……ただ」

「ただ?」


「そうなると銃本体の方が長く使ってもらえるから……より兵器としての役目を全う出来るのかなぁって……あ、です」


 こんな感じで塔子は自らが兵器として起用された際は戦場に赴く覚悟を持ってるようだけど……戦闘面では塔子の上位互換であるルクスが量産出来るようになった今、そんな事になるかは疑問しか無いけど、ネザーソード社の軍事力はルクスの誕生により一気に跳ね上がった感じだね。


 さて正面からだと自分の妹の血ですっかり真っ赤になってる塔子の周囲には散乱した肉塊とも言える金属片の数々と、浴び切れなかった血溜まりがあって……自らの手の平いっぱいに付着した赤とそれらの残骸を行き来するように何度も視線を注ぎ回した末、不意に塔子が呟きます。


「お風呂に入りたいけど……入りたくないなぁ」


 今塔子の目に映ってる全ての赤と肉が妹のものだからね……塔子の市民位はガンマだけど、自らの遺伝子に基いたものがこんな感じの扱いを受けても私は文句を言いませんと企業と契約するのが市民位ガンマです……ここまでされたく無いなら契約の際によく交渉して制限を設けておく必要があるよ。


 ちなみにルクスの開発に成功したら、こんな感じのリデューサーを作るという話を塔子は大分前からエトワ博士から聞かされてたよ……時期的には塔子の受験勉強というかエトワ博士による教育が大分進んでた頃で……その時の会話がこちら。


「色々やってたら塔子ちゃんの爆発魔法……すっごく強化した子が出来そう」

「まさに兵器開発だなー」


「これなら……爆発魔法だけ取り出したリデューサーも……作れそう」

「リデューサーって確か……」


「正確には機能を取り出すんじゃなくて機能を残す。その際に不要なものを全て取り除いて残ったもので最適化。今回は大砲みたいな感じの形状がいいと思う。完成すれば誰でも高威力の爆発魔法が撃てる兵器の出来上がり」


「そんな便利なの作ったら世界中がわたしの妹たちで溢れそうだなー」

「でも……撃つ度にボディ全体に負荷が掛かる事になるから……使い続けてると……壊れる」


「売り物にするなら消耗品の方がいいけど……そうなると将来わたしの妹たちが次々と死んでくなー……最近はダメになってリサイクルされる数も減って来たのに」

「最初はちゃんと出来るか不安だったこのプロジェクト……何とか順調……大分成果も出せてるし……暫くはクビになる心配……しなくていい……よね……?」


 エトワ博士はずっとネザーソード社と専属契約してる雇われ科学者で、ネザーソード社以外で働いた事が無いからと契約解消された時の不安を募らせがち……実際はその余りある優秀さが他で発揮されないようネザーソード社が全力で囲い続けて来たんだけどね。


 さっきの場面に戻るよりルクスに纏わる話をもう1つするかな……これはルクスが発表されてから、ある日ある場所での出来事……


「完成した……完成したぁー!」


 周囲の景色は建物の残骸があちこちにあって、銃撃戦が行われてそうな紛争地域を彷彿とさせる廃墟のような場所……空気が乾燥してるけど結構所々に火の手が広がってるから当然ではある……ちなみにさっきの歓びに満ちた言葉は更に続いてるよ。


「やっぱり美しい……優れたシステムは……美しい!」


 辺りに響き渡り兼ねない威勢というか溌剌とした声は幼い子供が言ったかのように甘く潰れていながら言い知れぬ恐怖を感じるような響き具合……そんな声の主は第一のイーリス――エデン……だから実際にはこの場にエデンの声が響き渡ったわけじゃないけど今の発言をしてたのは確かだね。


 エデンはルクスがリリースされるや早速購入し、兼ねてからやりたかった軍事演習をリアル世界であるこの場所で行ったわけで、その内容は128体のルクスでエデンが開発した兵器1体の鎮圧が可能かどうか……エデンは128体のルクスが効率的に動けるようサポートし、兵器の方は専用サーバーである『ウォッカ』が制御。


 このウォッカを作る為にエデンは圧倒的性能を誇る汎用スーパーコンピューター『アガヴェ』の開発を今まで進めて来て、十分に開発したアガヴェをこの兵器の運用に特化したものになるよう再構築したんだよね……だからウォッカは特化対象ならアガヴェの数倍の処理速度を誇ります。


 そうして行われた軍事演習の果てに広がってる光景は……あるルクスはテスト対象の兵器のレーザーにより腕や脚を断たれてたり、胴体が縦や横に分断されてたり、受けたミサイルの爆発によって体の一部が欠けてたり……機銃によって体が穴だらけでその穴同士が繋がってちぎれてたり……


 そんな風に体内から零れた内容物の数々が建造物の壁面を始めとした至る所に付着してて……似たような損壊具合を省いても全部で黙って80パターンはあるかな……


 つまり様々な形状の肉塊が蔓延ってて随所に大きな血溜まりが広がりがちな一帯なわけだけど、当の兵器は今も健在……この結果を見てエデンが叫んだ感じです。


 ルクスたちが戦ってた兵器に関しては説明を大幅に省略出来るかな……だってこれ以前もり清河さやかが学園の汎用スタジアムで戦った『黒き深緑ダークビリジアン』の改良型……主な挙動は変わらないし威力と機動性の向上を除けば、当時黒同然だったビリジアンの表面が『デモンステラ』に置き換わって鮮やかな青になっただけ……


 そんなデモンステラの装甲相手にルクスは魔法で損傷を与える事が出来ず、強固なバリアを張るよりも攻撃を優先した行動をルクスたちは取ってたから、その瞬間を狙われ続けて壊滅状態に陥った感じ……あとこの兵器の仕様上あちこちに補給ポッドが設けられ、常に最大の戦闘力を維持する為、ポッドの破壊は極力禁止されてました。


 ちなみにルクスはこうなっても必要な分量が揃えば新しく作り直せるので演習終了後、まだ動けるルクスたちが収集用の機材を持って可能な限り回収してたよ。


「最大……あなたは私の最大だよぉ! 私の開発した量産型汎用兵器――」


 エデンは最初の方からここまで立て続けに発言してて、この兵器の量産体制案は既に確立済み……デモンステラさえ手に入れば本当に好きな数だけ作れるんだよね……今回はこの兵器が常に全力を出してる場合のデータが欲しかった感じです。


 エデンは今まで兵器開発に長けた企業への買収を仕掛けてる最中にその会社が開発してる兵器の上位モデルを発表する事で買収を円滑に進めて来たりしてたけど……この兵器はそんな隠し玉の中でも開発目的が違ってて……簡単に言えばこの兵器は世界が本当に武力で制圧するしか無い程の危機に瀕した時の為のみ初めて世に放つ感じ。


 だからこの兵器はエデンにとって最大と誇れる兵器である必要があって……そんな秘蔵っ子の名をエデンは嬉々として叫んでたよ。


「ジャーブル!」


 それじゃあ締め括りにエデンの姿を紹介して終わろうか……


 エデンは北欧神話の主神オーディンの名というかスペルが元だからか、その姿は『神聖』を意識したものになってるんだよね。


 後ろ姿を覆い尽くす程に伸びた金色の髪の陰影部分は清らかな水色を湛え、その瞳は鮮やかな青……身に纏う白い袖なしドレスはスカート部分が右脚の太ももまで出るデザインでドレスの陰影部分は淡い青紫色になってて……


 肩、胸、手の甲、膝にはそれぞれの部分を覆う水色で金属質感の鎧状のものがあるんだけど……所々にある金色部分が神聖さを引き立てるような模様を描き、この金色部分共々、鎧パーツの陰影部分は青色で……


 手の甲パーツ中央には強い赤紫色を放つ宝石があって、エデンの肌は普通の色だけどその素肌の所々には青緑色のリボンが巻き付いてて……リボンはドレスの腰部分などにもある感じ。


 髪型は素直に伸びたストレートヘアで両肩前方にも髪がかなり流れ込んでるけど、その頭部にある鎧パーツとは違った質感で陰影が青紫の水色の金属で出来たティアラのようなサークレットはそこに嵌められた大きな赤紫の水晶5つの位置関係に基いた形状を成しており……


 そんな頭部パーツのような陰影が青紫の水色金属は両足に履いてる原始的なボーンサンダル状の靴とも同じ質感……サンダルには赤紫の宝石が無いけどね。


 あとはマニュキュアもペディキュアも塗られてなくて健康的な爪の艶をしてるのと全体が金色の光をぼんやりと放ってるのと……顔付きにはあどけなさがあり、鎧に覆われてる胸は主張が強過ぎない程度に結構ある方って事くらい。


 そんな『少女』の雰囲気が一層漂うエデンは1本放てば市街地一帯が抉れちゃう神の杖トールワンドをたくさん積める汎用衛星アステルを自由に動かせる地位にあるのは前に話した通りで……


 自らが管理する軍事力の増強に随分と熱心な第一のイーリス、エデンなのでした。

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