最終章

蝶々は、そして羽撃く

 EPILOGUE


 死後の世界の気分になる。


 まだそんな状態で、風景でも見てセラピーでもしようと彼は早朝の澄んだ空に適当に出掛けた。自由であり、もう拘束とかルールの類いは無い。

「風来さん、幽霊収容所脱出おめでとうございます」

 上下黒のスウェットの女子が、喋りかけて来た。トレーニング中だ。たとえ事実がダイエットでもそう、思う。記憶の中、そう、記憶の中を巡ると、そう言えばこんな奴もいた気がする。

 風景と処理していた人間の一人だ。人間関係というのは特に長身と言うのもあり、視線をそちらにジロジロ見てしまう。バレるので男というやつの本能に巧みに抗うには『風景』と化すしか無い。

 相手のレッテルや定義を変えてしまい、至って自然と振る舞う。つまり、巧みの技を必要とするほど美人という事だ。明確に風来は思う。どうせ、マザコンだ。マザコン期間中に適当な所へと再び経済活動をしなければならない。トレーニングウェアの上下は適当で上下バラバラ、ライトグレーに下ネイビーだ。

 目の前の女子は赤い髪でそれは赤系の髪に染めているからだ。紅茶を超える程、光を通すと赤く髪色が変化する。偏光の一個なので、少々輝きが違う。

 見とれてしまうと言う感じだろうか。先の事が有ったので丁寧に言葉を選ぶ。長い髪は見慣れているがそれでも、風になびくストレートの髪は光に変化し目を引く。スポーツだからと言ってヘヴィーにまとめているわけでは無い。軽く流す仕様なので光による変化が髪に起きる。

 仕事癖で、左右対称率まで計算する悪癖がついてしまった威圧感のある背の高さで無い所が記憶との一致を起こす。

 知り合いだと判断する。風来は、聞いた。

「トレーニングですか」

「そうなんですよ。外での幽霊退治、しませんか?」

 風来は、幽霊退治も稼ぎぶちとして視野に入れる事にした。

 次の目標に、視野に入れておくと言う表現が正しいか。別れる事にした。そう言えば、美人だ。あの処理を必要とするからで、風景と化した女子は特別扱いされ無い。正確にはそれで、腹が立つのか。少々と言うか少しだけ、冤罪を許す気がして来た。風景化が女難の相と言えば、そうだろう。暫く考える。

 話がきっかけで脳内にアクションが起きる。


 黒磯の謎が解けた。

 技巧を誇っていて対幽霊エフェクトと言わんばかりの効果が出無かったのだが、ディフェンスに例えば金属の弾ける火花なんてのが出ていたら、視界へのアクションでより円滑に身体は動き勝率は高かっただろう。だから何だ。では無く、自慢しない為、と推測される。女相手に話を続ければ女は辟易だ。我々の人種はそうだろう。

 クリスティアンも同様、自慢しないためだ。火を使った。そのせいだ。水はエレメンタル的属性と重量の加算を意味する。ブルーは狐火で豪華であった。暗に歌舞伎から隈取り的に降魔ではないか。私見ではこうだ。それもいいかも知れない。晴れで空は明るい、昼の明るさでは無いが透き通ってはいる。

「あとで、メモに取ろう」と思う。



 幽霊のみぞ知る世界、風来の読みは当たりその物。ヒトというのはその通り欲望や執着を斬る属性を畳む事を嫌う。クリスティアンには火を黒磯にはヒットエフェクトとして火花が散っていた。風来はガタが来て、何も無かったが普通「お前、死ね」コールを連発し、圧力をかけ自分が行ったかされたいじめを再現する。

 いじめられたと嘘をつかれれば最高だ。ヒットエフェクトはそう言う時、出る。警戒用の理解の為の物だ。所詮、そんな物。意志決定は四・五次元ではエフェクトオフを使用されたものであった。攻撃力は下がった。身体に縛りが効いてギブアップの可能性の方が遥かに有用だ。水分の消費量は完璧で、そのまま攻撃を加えれば良いと計算が出た。

 走られて突破から、人間というのは人間技を超える。それこそ、かっこいい奮い立つ歴史的事実と我々幽霊を利用してなるので有ってはならない。最も危険な技だ。こう判断。決定した。地味な物はやはり、確実に相手の覇気を削っていた。

 相手の行動は我々が決める。向こうが決める領域は向こうが決める領域だ。恐怖をめてはならない。支配をめてはならない。他人を見て、死んでもいい。はっきり言って。


 炎が纏うのは精神力の面から行っても自己犠牲に入り、かなりの危険度を誇る。別の所で別の対策の火が必ず立つからだ。天才というのは昔から居た。

 炎を纏う箇所、正確には近く手首辺りから拳から先、刃の先までなんて格好良くてやってられるか。未熟だと言う意味のカリバーンもまた邪魔だ。水は水面から相手の心を移すと言う意味が有る。フランベルジュでも分かるまい。古来、最強の剣として炎にゆらめき、見える斬撃として、天使は使っただろう。『死』型は取り纏める。やはり、リーダー格だ。


 希望の光と共に有る。最後に同様に纏めた。



「冤罪で収監され勇敢に戦ったF氏」ヒーローインタビューとして、この文字が白抜きの黒枠の文字で、テレビで映っている。風来玲央である彼のインタビューが放映された。貴重なものだ。もちろん、幽霊たちも見る。ぼけたフォーカスが使われ、誰だかわからない。「風景も人間の仕事」と近年言われるようになった。家族間などに主に当て嵌められる。色情地獄への行き過ぎに使われる。健康な事は素晴らしいことなのだ。栄養面が行き届いていること、それに、興味を持つ内部の健康的な燃えるジェネレーターの健全さ。他人がビシバシアピールして来て数学的曲線が襲い掛かるのに対し、こっちは体の内部から元気なので大変だ。情報としての物では無く実体がやばいので重要な乗り切るテクニックとして、瞬く間に伝播してしまった。変なものだけが重宝される異様な世界だ。つまり、風来玲央は外にいる。


 短期間にそれでも追い込み、半月で出ることになった。争点は、肝心のテクニックでは無く肝要な部分を浮き彫りにして行く。

 インタビュアーは、イメージに気を使い熱のこもった質問を繰り返す。見下しているとあっさりととどめを刺してくる。

 したたかに、所々怨念の感じる内容でグラマラスな女性で美人だった。カジュアルな感じのスーツ姿で気を使った感じだ。ベージュのポロシャツの高機能版にも見える。カジュアル寄りなスーツ姿でヒーローインタビューは行われた。

 内容は深く彫り込まれ、思わぬ方向に行く。大概がそんな感じだ。


『冬になったら、時間は味方し虫は死に耐えてしまう。感情論でもある動機と行動への直結の部分、再現性が薄れ、まさか模型を使って説明する訳も無いだろう。そう言う意味で、早期決着は犯罪性として高い物を持っていた。時間が味方する作戦だった。その、問題となった同種の虫を持って来て放すなど最高にスペクタクルだ。虫の運ぶ病気から行ってもそんな事は無いだろう。実際の事件では室内では、そんなことされた訳では無く巣が有った訳だが。能面について、現実の演劇であるので伝統的という点を含めると幽霊の姿と再犯などのもう一度を始め、収容所へのイメージ上の進んでしまうベクトルの上手い表現の逃げである事から、収容所内で始めて符号し環境が変わり本物になるのでわかる事は本当に非常に多い。事前に知っていた情報に対して現実は甘くない。苦労した。天皇が罪を消滅させるシステムは変わっていない。よろこびごとでなければ天叢雲の剣は存在しない。人が犠牲になり、取りあえずでも曲解を含み立ち向かうので慶ぶべきことと曲解される。解釈は以上であるが、「裏菊」とはそれを仄めかし、囁き、もう一度、頭をおかしくさせるために使われている。老化を含め、それはモウロクと言う。再起を狙う。死と生体エネルギーへの連想を含めて。

 雑だが模倣という言い方もまかり通る。神の』取材内容は以上だった。



 そうそう、彼は本物のカリバーンを見に行く。世話になったからだ。剣に霊が宿るのは日本の刀の世界、エクソシズムなんて知るかだが、クリスティアンの持っていたもの何かに憧れていたのも事実。インターネットや雑誌系通販では無く出来る限り本物を見ようと思った。

 雑居ビルのギスギスした一画に、それは有る。親をここにやったか。自嘲気味に思うがスピードはありがたい。

 祈ろうと思った。

 仲間たちの無事と安全を。

 それは、世話になったからだ。でも、武器を見ないと祈りが届かないと思った。スリーワンの本物の武器、カリバーンなんて本当に収容所、つまり、公務員が本気で悩んでいる証拠だ。本物の展示してある店に入る。所有しているトレーニングモデルに対し銀色が鏡の様に輝く。刃の部分であり、グリップは打撃に耐える強靭な梨地仕上げの銀色だ。しかもこんなの雑誌の連呼だ。恥ずかしくて言えるか。語れるか。収容所で大事だったのは感性だ。

 普通、理性なのだがと思い、頼み、最強の武器を見る。エクソシズムは悪と戦えと命じるか?理性による徹底的コントロールが正体だろう。しかし、エッジの付いた刃はこうも伝えてくる。「協力しろ」と。

 ボクの手より少し大きいんじゃ無いか。握って見て、構えの許可をもらう。

 使っていた彼の手にピッタリじゃないか。だから、親はグローブを寄こしたか。構えると多数の気遣いを感じる。

「仏陀じゃ無いが、ああいう感じがいいと思います」最早、消えかかっている遺言を心の中で思う。同時に、悪は他人が決めるものだと思う。この世は全て美しい。確かこんなんだ。囚人ルールだ知るか。もう一度、あの幽霊に対しての静寂感を思う。「この世は、全て美しい」握り締めた部分の少なさから彼の手の大きさを思った。

 指向性なら怒られ無い。多数の武器を前に彼は仲間の無事と安全をイメージとヴィジョンでもって思った。「」とも。


                                         

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ゴーストエンフォース・クローズドリフトオフ ディージィーアール @DGR

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