舞台は古代中国。
物語の主人公である李韓《りかん》と言う男は、都落ちした官吏。しかも独身。そんな彼は故郷に帰る道すがら、仙人のような装いの行商人に「頬紅桃《ジャホンタオ》」という植物を出され、見入ってしまいます。
何故なら、その姿がまるでうら若き娘のようだったから。
李韓は、変わった姿をした頬紅桃に一目ぼれをしてしまい、行商人の行いを見逃す代わり持ち帰るのです。
故郷に帰った李韓は、周囲の人たちの冷ややかな目も気にせず、頬紅桃と共に生活をするのですが、果たしてどんな結末が待っているのでしょうか。
言葉巧みに紡がれた物語です。
「頬紅桃」が何故そんな姿をしているのか、李韓はどうなってしまったのか。その謎が最後に全て解けます。
悲しくも、優しい物語をぜひご堪能下さい。