頬紅桃

作者 天野 蒼

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★★★ Excellent!!!

 舞台は古代中国。
 物語の主人公である李韓《りかん》と言う男は、都落ちした官吏。しかも独身。そんな彼は故郷に帰る道すがら、仙人のような装いの行商人に「頬紅桃《ジャホンタオ》」という植物を出され、見入ってしまいます。
 何故なら、その姿がまるでうら若き娘のようだったから。
 李韓は、変わった姿をした頬紅桃に一目ぼれをしてしまい、行商人の行いを見逃す代わり持ち帰るのです。
 故郷に帰った李韓は、周囲の人たちの冷ややかな目も気にせず、頬紅桃と共に生活をするのですが、果たしてどんな結末が待っているのでしょうか。

 言葉巧みに紡がれた物語です。
 「頬紅桃」が何故そんな姿をしているのか、李韓はどうなってしまったのか。その謎が最後に全て解けます。
 悲しくも、優しい物語をぜひご堪能下さい。

★★ Very Good!!

 どこかつっこみたくなる幻想的で奇天烈な展開といい、あとで明かされる事実といい、本物の中国の民話を読んでいるような気持ちになる作品でした。大学図書館で読んだ中国の古典の民話とかも、こんな感じでしたなあ……何故そんなものを持って帰ったのか……。
 あっさりした文体と展開なので、少々盛り上がりに欠けると言えばそうなのですが、それがかえって民話らしいと思いますし、その意味では過不足がないのではないでしょうか。