★★★ Excellent!!! 「頬紅桃」とは、娘のような姿をした植物のことである。 彩霞 舞台は古代中国。 物語の主人公である李韓《りかん》と言う男は、都落ちした官吏。しかも独身。そんな彼は故郷に帰る道すがら、仙人のような装いの行商人に「頬紅桃《ジャホンタオ》」という植物を出され、見入ってしまいます。 何故なら、その姿がまるでうら若き娘のようだったから。 李韓は、変わった姿をした頬紅桃に一目ぼれをしてしまい、行商人の行いを見逃す代わり持ち帰るのです。 故郷に帰った李韓は、周囲の人たちの冷ややかな目も気にせず、頬紅桃と共に生活をするのですが、果たしてどんな結末が待っているのでしょうか。 言葉巧みに紡がれた物語です。 「頬紅桃」が何故そんな姿をしているのか、李韓はどうなってしまったのか。その謎が最後に全て解けます。 悲しくも、優しい物語をぜひご堪能下さい。 レビューいいね! 2 2021年5月9日 12:05
★★★ Excellent!!! 素晴らしいの一言に尽きる 棘 慧 物語を読み進めていると、情景がぱっと目の前に浮かんでくるほど、表現力豊かに文章がつづられており、感動しました。 言葉遣いなどもその場の勢いで乗り切ることなく、一音一音確かめるように、丁寧に書かれており、どんどんと物語の中に引き込まれていきました。 レビューいいね! 1 2020年6月16日 15:41
★★ Very Good!! 美味なる桃の本当の味は 星霄華 どこかつっこみたくなる幻想的で奇天烈な展開といい、あとで明かされる事実といい、本物の中国の民話を読んでいるような気持ちになる作品でした。大学図書館で読んだ中国の古典の民話とかも、こんな感じでしたなあ……何故そんなものを持って帰ったのか……。 あっさりした文体と展開なので、少々盛り上がりに欠けると言えばそうなのですが、それがかえって民話らしいと思いますし、その意味では過不足がないのではないでしょうか。 レビューいいね! 2 2019年1月29日 23:00