第9話 エピローグ・プロローグ

ふと気づくと私は自分の部屋にいた。過去から戻って来たんだ・・過去のお父さんは私が居なくなって心配してないかな・・

コンコン

ドアを叩く音がする。

「未生・・」

私はドアを開ける。そこにはやさしく微笑んだ高校時代より歳をとったお父さんがいる。当然よね。

「お帰り、未生。大変だったよね。お疲れ様」

お父さんは私が過去に行って今戻ってきた事を知っているんだ。そしてこう言う、

「腕をまくってみて、躊躇しないで」

私は腕まくりをする。痣が・・無い・・

「そう、未生イジメられる事象は無くなったんだよ」

イジメがなくなった?痣は消えても記憶が・・あれ・・イジメられていた記憶が、『悪い夢をみて怖かったけど昼にはその記憶がなくなっている』ように私の中から薄い記憶になっていく・・

「今では、相手はただのクラスメイトの関係、なにも気にする事はないよ」

「ねえ、お父さん一体何をしてくれたの?」

そうすると、お父さんは微笑みながら・・

「秘密だよ、男は多少秘密がある方が魅力的なんだぞ」

「ふふ、それお母さんのセリフじゃないの」

「そうだな、これは優子の定番のセリフだからね」

よかった、お母さんは変わってなかった。もう、消えようなんて思わない。時間移動の方法の記憶も薄れていく・・もう過去に戻る必要もないから・・

きっとお父さんに苦労を掛けてんだろうけどそれを見せない優しさに、またお父さんが好きになる。


「さあ、未生の大きな時間旅行の終わりだな。じゃあ、あのカレー食べに行くか!実はお母さんも待ってるぞ!」

「本当!?楽しみだなぁ早く行きましょう!」

私の時間旅行はこれで終わったけど、これから楽しい事が待っている。お父さんとお母さんと私の新しい道の旅が・・・

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未来の娘の恋愛指南 飯田橋諭 @satosi_iidabasi

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