第3話 ピーマンくんとみんなを仲良しにするまめ
ここはやさい達が住むベジアイランド。今日もゆかいに暮らしています。
まめの王子【ピスオ】はスタスタとお散歩をしていると畑で一人遊んでいるピーマンくんと出会いました。
「ピーマンくんまめ、何しているまめか?」
「今ね、遊んでいるの!」
「一人でまめか?」
ピーマンくんは悲しそうな顔と声で
「うん」
と言いました。
「みんなと遊んだほうがいいまめ。そっちの方が楽しいまめ」
ピーマンはもっと悲しい顔をしました。
「でも、みんな遊んでくれないんだ」
「どうしてまめか?」
「みんな苦いっていうんだ。それに色が変だって、それに香りも苦手なんだって」
「そんなことないまめ。ピスオはピーマン好きまめよ」
「本当?」
「好きまめ」
「なら、遊んでくれる?」
「遊ぶまめ」
ピスオが両手をあげると、ピーマンくんは嬉しそうにピスオに抱きつきました。
ピスオはピーマンくんとおにごっこをしたり、土の中に隠れてかくれんぼをしたり、枝やツルに登って、木登りなどをしてたくさん、たくさん遊びました。
するとお空はオレンジ色に染まりカラスさんたちが
『カーカー』
と帰る時間を教えてくれたので、帰ることにしました。
ピーマンくんはあまりにも楽しかったのか、眠ってしまってます。
ピスオは雲さんにお願いして、ピーマンくんを乗せてピーマンくんの住むお家に向かいました。
すると、ドアの前には心配そうにピーマンパパとピーマンママが待っていました。
「ピーマンくん」
「良かった。迷子になったと思って心配していたんだぞ」
ピーマンくんはスヤスヤ眠っています。
ピーマンパパとピーマンママはフッと笑い、ピーマンパパがピーマンくんを抱っこします。
「ピスオくん、ピーマンくんと遊んでくれたのかい?」
「そうまめ」
「ここで話をするのはあれだ。中でお話をしていかないか?」
「していくまめ」
ピーマンパパ、ピーマンママ、ピスオはおうちに入って行きました。
ピスオとピーマンパパが座っていり、ピーマンくんはスヤスヤと眠っています。ピーマンママはピスオにコーヒーを持ってきました。
「ありがとうまめ」
「ううん。こちらこそありがとう。いつも一人で遊んでいるからすぐに飽きて帰ってくるのに今日は遅かったから心配だったけど、ピスオちゃんが一緒だったなんて」
「そうまめか。ゴメンなさいまめ」
「ピスオくん、違うんだ。感謝をしているんだ」
「ありがとうまめか?」
「そう。よっぽど楽しかったのね」
ピーマンママはピーマンくんの頭を撫(な)でます。
「どうしてみんなピーマンを嫌うのかしらね」
「ああ。私たちは食べてもらうために生まれてきたのに」
ピスオはコーヒーを飲みながら考えました。
すると何か思いついたようです。
「そうまめ、ピーマンがすごいってことを伝えるまめ」
「ピーマンがすごい? どうやって?」
「ピスオに任せるまめ」
ピスオはピーマンくんを見てニコッと笑いました。
続く。
ようこそ! ベジアイランドへ〜まめの王子【ピスオ】と楽しい野菜たち。 アーリーレッド @mamenbo
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