1月19日(土)
アタシの家にて。
「アタシたちはいったい何してるんだろう」
「何って、何もしてないでしょ」
「何もしてないことはないよ。お茶飲んでお菓子食べてテレビ見て駄弁ってうとうとしてるよ」
「じゃあ、意味あることはしてないでしょ」
「意味があるって何。お茶飲んでお菓子食べてテレビ見て駄弁ってうとうとすることに意味がないっていうの」
「まあ細々としたのはあるけど、大目標はないでしょ」
「大目標って、例えば?」
「高校に合格するとか」
「そうだよ。アタシたちは受験生なんだよ。もっと勉強して、高校に受からなくちゃいけないんだよ。なんでアタシの家でまったりしてるの」
「あ、お兄さんお茶」
「お兄ちゃんを顎で使わないで。お兄ちゃんも『はいはい』じゃないから。この子を甘やかさないで。謙虚さを教えてあげて」
「いや、わたしは謙虚だよ。少なくともあんた以外の家でこんなことしないし。はさみ
「謙虚な人の言い草じゃないよ。はいはさみ」
「今更だと思うけどね。今日はもう十八時間過ぎたんだし、悪あがきはやめて楽にいこうよ」
「くっ、優等生組め……新しいポテチ開けやがって……」
「あんたも別に成績悪くないでしょ、数学だけだけど」
「計算で求められないことなんて覚える価値なし」
「何だか凄い矛盾を感じる」
「学校の勉強は暗記多すぎだよ。もういいじゃん、ネットで調べて分かること、頭に入れてどうするの」
「その議論はやめよう。エネルギー使いそう」
「ただでさえエネルギー消費少ない一日だったんだから、話すことくらいの消費はしていこうよ」
「じゃあ待って。ポテチで補充するから」
「今まで溜め込んだのはどこに行ってしまったの」
「消化した」
「全然身体構造の検討がつかないんだけど」
「お茶ありがとうございますー」
「お兄ちゃん、なんとか言ってやってよこの堕落っ子に。『可愛らしくていいじゃないか』? どこを解釈したらそういう結論になるの?」
「ほらほら、テレビでも見て落ち着きなよ」
「あ、コ○ンの時間じゃん。見るかー」
「うん、じゃあわたし寝るから」
「ご飯どうするの、うちで食べてく?」
「いや、家にあるからいいよ。八時頃に帰るんで、お気になさらず」
「今日カレーだけど」
「やっぱり食べる」
「ん。コナ○終わったらね」
「終わったら起こして」
「そんな寝たい? てかポテチ開けたばっかじゃん。せめて食べなよ」
「カレーの後に食べるから」
「胃袋大きいなぁ……」
「じゃあ、おやすみ」
「あい、おやすみ」
結局九時まで遊んだ。
人生にコンセプトなんてあるか。 John @john0324
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