エピローグ

それから

友加里さんは娘さんが淡々と

葬儀場の手配をして

特に涙を見せず


「長い間母を預かってくださりありがとうございました」


そう一言

決まり文句のように

表情を変えず

私たちに向けてそう告げた


わたしはたまらず

「友加里さん、娘さんのこと何度も私に大事な娘だって話してくれました。こうやって迎えに来てくれて喜んでくれてると思います」


余計なことかもしれない

余計なお世話だと言われるかもしれない

でも……


娘さんは

何も言わず

一礼して

施設を去っていた


娘さんにいつか伝わって欲しい……

娘さんの背中を見つめながら

願うしかなかった


彼から再度

「いつだって連絡していいから」


わたしは

「産まれたら父親として会いに来てそれだけでいいから」


彼は笑顔で頷いた



友加里さん……これで

大丈夫だよね……



友加里さんが


「大丈夫よ!未来さんなら!」



そんな声が遠くから

聞こえたような気がした





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老いてもなお らお @raonatural

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