谷川徹三『哲学案内』 27-32Pでいわれているのはこういうことだ
ふたつの出発。
第一の出発。
それは、人生的で人間的な出発。
詩人の出発、宗教家の出発。
第二の出発。
それは、客観的で対象的な出発。
自然科学者の出発、社会科学者の出発。
自由な思考と、体系的な思考。
自由な思考。
詩人の思考、小説家の思考。
体系的な思考。
これこそが、哲学の思考。
自由は体系になり、
詩人は哲学者になるーー。
ゲーテ。
ドストエフスキー。
哲学者。
ただし、後付けられた哲学者。
ニーチェ。
キルケゴール。
自由な思考。
カント。
ヘーゲル。
体系的な思考。
体系的哲学者に牙を向く、
ニーチェとキルケゴール。
しかし彼らは、
詩人であって哲学者、
なおかつ、
詩人であるよりも哲学者。
ニーチェとキルケゴール。
自由な哲学者に沸き上がる、
体系的なものに対する渇望……。
法律。
法律から哲学へ。
法律はそれぞれが、それぞれの思想の表明。
それぞれの法律が
世界観と人間観が生まれて、
哲学が形作られる。
哲学。
哲学から法律へ。
哲学的思想は、
法律の条件。
体系づけられた哲学的思想が、
法律を形作っていく。
法律は哲学。
哲学は法律。
体系的な思考の弱みは、
ものの見方の硬直。
動的な社会において、
硬直したものの見方は、
腫瘍のようなもので、
それを取り除くものこそ、
世界観と人間観の変革。
自由な思考の面目躍如。
自由な思考は、
世界観と人間観の変革の条件。
でも、変革が創造した新たなる世界観と人間観は、
やがて結局は、体系的になった思考として構築される。
変革とは、
自由な思考と体系的な思考が、反発しつつ折り合う場所。
対立、そして求め合い。
相克、そして補い合い。
自由な思考は体系的な思考と交流し、体系的な思考は自由な思考と交流する。
参考文献:谷川徹三『哲学案内』、講談社(講談社学術文庫)、1977
読書という砂浜 ばふちん @bakhtin1988
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