いないいないばあぁ...
KT
第一章 広い世界。
この世界は広い。
この世界について、全て知っている奴なんか一人もいないだろう。
この世界には透明な何かがいる。
ゾンビとか幽霊とかいう、そんな生ぬるい奴らとはわけが違う。
人間なんて、みつかれば瞬殺されてしまう。
一体、奴らは何体いるのだろう。
人は隠れるのをやめた。
なぜって。
人間がいる所に奴らはいる。
俺たちがどれだけ逃げようとも、奴らは付いてくる。
大きいのか、小さいのか。はたまた、二足歩行なのか、四足歩行なのか。
半透明ならまだいい。奴らは透明なのだ。
数週間前の出来事だ。
奴らが舞い降りたその日から、当たり前だった生活が一気に崩れた。
建築物は不思議なことに破壊されていないが、人類は着々と減っていった。
俺たちは奴らに気づかれないようにしながらも、政府が作っていた地下シェルターに逃げ込んだ。
シェルターは大きなもので、俺が来た時には4〜50人いた。
少しの武器、食料はあるものの、長くは持たないだろう。
早く奴らを倒して、地上に光を取り戻さなければいけない。
ここに居る全ての者がそう強く思った。
しかし、誰一人動こうとはしなかった。
あの無敵な生物に対抗するなんて、相当なバカか覚悟のあるやつしか出来ないだろう。
覚悟があったとしても、対処方法がない。
ただただ時間だけが流れた。
1分が長く感じた。
いないいないばあぁ... KT @jKT
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