第2話
元彼女と知り合ったのは運命的なら出逢いでもなく出合い系サイトだった。2日間ぐらい連絡をとって、向こうから会いたいと言ってきた。向こうの顔は見せて貰っていてプリクラだったがとても可愛かった。会いたいと言われて断る理由など無かった。
実際に会ってみると華奢で可愛い女の子だった。だが、軽そうな感じな女の子だなとも思った。
夜九時ぐらいだったから田舎のこの辺りでは特に行くところもなく、ただただ車を走らせていた。車内では向こうが基本的に喋っていて、学校での事や最近作った料理の話などに僕が適当に相槌を打つという感じだった僕の話になった時は適当に嘘を交えながら会話をした。正直に話す事に抵抗を感じていた。多分一時間程走った辺りで「そろそろ帰ろうか」と僕が切り出して来た道を引き返した。あともう少しでこの子の家辺りだなというところで「ねぇ、家に行きたい」と向こうが突然言ってきた。家も散らかってるから人を入れたくなかったし、なによりさっき初めて会った人を家に入れるなどしたくなかった。でも、中々向こうが諦めてくれなくて、結局僕が諦める事にした。
僕の家に着いた。
「ちょっと掃除したいから車で待ってて」と言い相手を車の中で待たせて急いでゴミをまとめたりした。10分ぐらい待たせて家の中に入ってもらった。元彼女の第一声は
「なんか男の部屋って感じだね」だった。
まぁこんなに散らかってるならそう思うだろうなと思った。
部屋に入ったが特にする事もなくテレビを見たり携帯をつついたりなどしていた。12時近くになった時に元彼女が「もう眠たい」と寝室に行きベッドで横になった。
「濱田君も寝たら?」
かなり戸惑った。何しろ僕のベッドは一人暮らし用のベッド勿論シングルベッドだ。ここで2人で寝るとなると肩と肩が当たるぐらい距離感になる。そういう事にならないだろうか、まぁなったとしても童貞を捨てるチャンスかや僕の体は今臭くないかなど色々と考えたがとにかく僕も眠たかったので
「う、うん。分かった」と横で寝る事にした。
思っていたよりも僕のベッドは狭く肩はくっつく為寝れる気がしなかった。これは襲っても良いんだろうか、襲うとして最初はやっぱりキスからか?など童貞の頭で必死に考えたが答えが出なかった。
ベッドで横になってから10分ぐらい経った時に元彼女が突然、
「もう男から来ないなんて最低」と言い、キスをしてきた。この行為により僕も決意をして今度は僕からキスをした。その後胸を弄ったりなどをして童貞を捨てる時が来た。
だが、童貞の僕の家にコンドームがあるわけもなくそれを伝えたところ
「じゃあゴムなしでもいいよ」
本当に大丈夫か?と一瞬思ったがこのタイミングを逃したら今度いつ童貞を捨てるタイミングが来るのか分からない為、僕はコンドームなしで挿入する事にした。
どこに入れたらいいのか分からなかったが元彼女が教えてくれて、無事童貞を捨てた。
だが、何故か僕のモノは初めての経験による緊張とコンドーム無しで挿入している事に対する不安から萎えてしまった。
「あれ?どうしたの?」
何て答えたらいいのか迷っていると
「もしかして前の彼女の時もこんな感じだったの?」
そう、車内で適当な嘘をついてしまったせいで元彼女の中では僕は童貞ではなく過去に2人とお付き合いしていることになっていた。
「そうなんだよ、前の彼女の時も20歳を過ぎてから勃たなくなってきたんだよね」
嘘に嘘を重ねたおかげで何とかこの場は乗り切った。その後、とりあえず寝ようという事になりそのまま狭いベッドで一緒に寝た。
朝起きると元彼女が朝ごはんを作っていた。
ただ女の子が朝起きて居るだけでも十分幸せを感じたがさらに、朝ごはんまで作って貰っているとなると明日死んでしまうんではないんだろうかという不安に襲われそうになる。
「あ、起きたんだ。ねぇねぇ、冷蔵庫の中にあったウインナーと卵勝手に使ったけど大丈夫だった?」
「全然大丈夫だよ」
朝ごはんはウインナーと卵焼きとご飯という簡単なものだったがとても美味しく感じた。
朝ご飯を食べ終わった辺りで
「それで、いつ帰るの?」と質問をした。
僕は今日午後から仕事だったので流石にそろそろ帰ってくれないかと思ってこの質問をしたが、思ってもみない答えが返ってきた。
「家に帰りたくないから今日も居ていい?」
「いや、別にそれはいいんだけど、僕午後から仕事で居ないから仕事が終わったらまた迎えに行くよ」
「あ、そっか。分かった」
その後すぐに荷物をまとめて元彼女を家まで送った。
「じゃあ、多分夜の9時ぐらいにまた迎えに来るから。ばいばい」
「うん、ばいばい」
僕はその後一旦家に帰って、仕事に行った。
この時の僕は馬鹿みたいに幸せだった。
次の日あんな事になるなんて知らずに、ただただ浮かれていた。
死人と元彼女 @po_4869
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