第3話

「魔術祭の学内選抜大会の申し込みは今日の放課後までだからな。参加希望の奴は忘れず職員室まで持って来いよ。」


と朝のホームルーム時間に山田先生が言った。


「碧、昼休みにでも一緒に提出しに行こうぜ。」

「了解」


2人はそれだけ話して互いの席に戻って行ったのだった。


昼休み


「碧、職員室に行こうぜ。」

「ああ。」

と教室から出たときだった。


「あら、碧と悠じゃない。あんたたちも参加するの?今から一緒に提出しにいかない?」


とちょうど隣のクラスから出てきた唯と職員室に行くのであった。


「やっぱり参加希望者はいっぱいいるのね」

「そりゃあ、賞金とかがあるからね。学生であれだけのお金があれば遊べるし、それに魔術関係の就職も優遇されからね。」


とそのとき後ろから声をかけられた。


「あれぇ~?なんで君みたいな雑魚がこんなところにいるのかな?」


とCクラスの安西に肩を組まれながら言われた碧だった。


「別に参加資格なんていらないんだから誰が参加してもいいじゃない。」

「そうだそうだ。」


と碧をかばう悠と唯。


「君たち2人には言ってないよ。そこの学内最下位君に言っているんだよ。君が出ても時間の無駄だよって。」


碧は学内の実戦形式のテストに参加しておらず、いつも不戦敗である。そのため、学内のランキングは最下位である。あまりのやる気の無さで1年の中では有名な碧であった。


「そうだ、次の授業は合同だったな。俺と勝負しろよ。」

「悪い、面倒だからいいや。」

「本当は負けるのが怖いから逃げてんだろ。」

「ああ、そうだよ。」


安西の軽い嫌みを碧は受け流した。


「あんたね。私が腹立ってきたから受けなさいよその勝負。」


と唯が勝負を受けるよう促してきた。


「嫌だ。めんどくさい。」

「受けなさい。」

「はい。」


面倒と断ろうとした碧だったが、唯が拳を構えてさらに謎の笑顔でこちらを見ていたため、断りきれなかった。


「安西、受けてやるよ。」


「それはよかった。次の授業を楽しみに待ってるよ。せめて、恥をかく準備でもしておいてくれよ。」


と安西はそれだけ言って帰って行った。


「なんなのあいつ。」

「そういえば、あいつって強いのか?」

「おまえ、あいつのこと知らないのか。去年の中学生大会で唯が1位ならあいつは2位だぞ。」

「そうなんだ。唯、代わりに戦ってくれよ。」

「あんたが受けたんだからちゃんと戦いなさいよ。それに私クラス全然違うから。私、次の授業は数学だし。」

「もういい加減に腹をくくれよ碧。」

「仕方ないな。面倒だけどやるしかないか。悪い、準備してくる。」


めんどくさそうに言いつつも準備のために教室に戻る碧だった。


「あんた、あいつがこっちに帰ってきてから戦ったことあるの?」

「それがこっちに帰ってきてから戦ったことないな。それどころか碧のやつが魔術を使ってる姿すら見たことないよ。」

「え!大丈夫なのあいつ。」

「大丈夫じゃね。小さい頃はあいつ強かったし。」

「確かに強かったけど、安西の奴もなかなか強いだよ。前にやったとき私、苦戦したし。」


戦うように促したが、心配になってきた唯とお気楽そうに言う悠であった。

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無題(仮) ぽてとさらだ @potatosalada1

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