サメのぬいぐるみ。どこかかわいらしさが漂っていますが、ホラーです。あの人食いで有名なサメを可愛くしてみましょう。喰われるのはどっちでしょうか。主人公や舞台に、この世界観を創り出した要因が垣間見え、オチもよかったです!
突然非日常に放り込まれる主人公。今までの人生で慣れ親しんだ世界の土地や街はそのままに、親類友人全てが中身はそのままに姿形と常識が全くの別物になっている恐怖感。しかし、それらの情景を思い浮かべた途端、忍び寄る恐怖による体の強張りはとけ、口元はニヤけ緩んでしまう。 なぜなら某北欧家具店の例のぬいぐるみは尋常でなく愛らしいからだ。更に、先だって急速に出回った、例のぬいぐるみ達をさも人のように配置し撮影した写真群を既に目にしていようものなら、もはや取り返がつかない。
超かわいい(けど怖い?)サメのぬいぐるみが暮らす世界に迷い混んでしまった主人公 + あるのはサメの寝袋 = やることは1つ!意外と冷静で生活を楽しんじゃう所もありつつ、でもやっぱり掃除を始めてしまう所も面白かったです。ラストも秀逸。オススメです。
ぬいぐるみは総じて可愛いものですが、サメは特に可愛いですよね。ヒレとか顔とか、フォルムも良い。でも、生物だからこそ持っているグロテスクさが光ります。夢のような世界で感じる生暖かさが、現実だと示す。そんな世界への入り口が無数にあることを示すオチ。とても面白かったです。
巷を賑わすサメのぬいぐるみ。突如現れたそれは、主人公の生活を一変させる――!
ほら、こうなるよ?って。SFであり、ある意味異世界ものであり、ホラーでもある。ジャンルを縦横無尽に泳いだ挙げ句、オチがまた別の扉を開けてくれる。
某家具屋のサメぬいぐるみと某書店のサメ寝袋さえあれば撮れるから、多分ラクに撮れる。