みしょうかん様、初めまして、魔法もない。異世界もないけど、質のいい青春小説だと思います。私もまだまだ修行中の身の上ですから、細かく論じることは出来ませんけれど、三人のスクールライフが、実に良く表現されていると感じました。
高校生三人の日常を描く短編。どこにでもありそうな、しかし、とても尊い時間の流れを爽やかに描写している。文章のつなぎ方がうまく、またすらすらと読むことができ爽快な気分にさせてくれた。何気ない日常こそ大切だと、過ぎ去った時間を振り返ることができる。書けそうで書けない見事な小説だと感じる。
主人公の独白で、『いつもの三人』が親友になるまでの出来事を、淡々と書いていく作品。卒業文集って、学校行事など印象的だったことを書くことが多いと思うんですけど、この小説は、それをすごく詳細に、『友達』という視点で書かれている感じ。徐々に溶け合い徐々に団結していく様子が、青春ぽくていいなあと思いました。
人生を直線とするなら、『1年』とは概ね80分の1の長さか。2パーセントにも満たぬ。その2パーセント足らずの中で位置についた友情が、用意され、やがて走り出す間際を良く捉えている。教室内での良くある押しつけ合いや、偶然にもそこから生まれた友情という筋も現実味があって良い。