追加:【物語独自の設定にこだわりはありますか?】
設定にはまあまあ拘っていたというのに、ミスでこの問に答えるのを忘れておりました……。
ですので急遽、追加という形で語らせていただきます。
【世界観について】
本作の世界は、20世紀末におきた大変フザけた事情によってなし崩しに異世界間交流が始まり、魔法や異世界人の存在も周知され出した現代〜近未来社会ということになっています。この世界観の物語群では異世界を通勤通学、旅行感覚で異世界間を行ったり来たりするのがごく当たり前になっています。
異世界の主要な文明圏では魔法をベースにしたテクノロジーが発展しているため、科学主体でやってきたこちらの世界ははっきりいってかなりの後進圏になります。
そのためこちら側の黒船来航以後の日本のように魔法技術の取り組みや対応が迫られています。異世界から悪い目的を持ってやってきた団体に蹂躙されることもあれば、躍進のチャンスとしてこちら側の団体が異世界に進出して現地とトラブルを起こすこともあり、世界の内外で摩擦が多発しています。もちろんそんなゴタゴタした交流だけではなく、商業、市民レベルではほのぼのとした交流もおこなわれています。また、異世界の戦禍に巻き込まれた人々が難民としてこちらの世界へ亡命するといった例もあります。
この世界観は自作で複数使いまわしているため、全体像がかなり奇怪なことになってしまいした。
本作のように血なまぐさいものもあれば、児童小説風にほのぼのとしたものもあり、魔法や妖精や妖怪など少し前まではフィクションにしかいないと思われたものが当たり前になった社会でだらだらと日常をすごすものなど、統一感がほぼありません。まあそれも、地球の裏側では戦争をやっているのに、反対側ではスマホのゲームに夢中になっているようなこの世界の在りようを反映したものだと思っていただけますと幸いです。
こっちの世界の方が後進である──という基本設定は、現代社会の知識を活かして転生先の異世界で無双する系の物語に思うところがあり、言うならばそれらの逆張りでこのようにしたともいえます。とはいえあんまりルサンチマンむき出しで設定したものでもないので、アホな世界設定だなあと気楽に受け止めてやってください。
※以下ちょっとしたネタバレ※
本作では、作中の少女たちは異世界から悪い妖精の被害者でもあるし、それらから護る役目を負った団体からも侵略者の片棒をかついだ存在であるということで二重に見捨てられた女の子たちであるということになっています。
反対に、主人公と対立したり手を貸したりする敵サイドの魔法少女(本シリーズの主人公)は被害にあったのではなく自分の意志で悪い妖精に協力している者ということになります。
【魔法について】
本作に限ったことでは無く、私の書くものに大体共通する魔法についてざっくりと――。
どちらかといいますと私は、魔法にきっちりきちきちにシステムやロジックが設定されるとガン萎えする派閥になります。
わしはテクノロジーがみたいんやない! 魔法でどんなミラクルが起きるかがみたいんじゃあ!
テクノロジーの行使の結果に素敵なミラクルや奇想天外なトラブルが起きるのなら構わないのだが、どこぞの青年やら少年少女が冒険して派手なバトルしてラブコメして成長するだけの内容にきっちりきちきちロジックやシステムを構築しているというのであればこれほどつまらんことはない。そんなら超高性能な電化製品と旅していたらよいではないか。
――「ガン萎え」に包括されるものをつまびらかに語りますと、このようになります。すみません。
魔法にはシステムやロジックがきっちりきちきちしてる方が望ましい派閥の方にとっては不快は発言であったろうと思われますが、「なんか異教徒が妙な教義を口にしている」とでも思って聞き流してやってください。
そんなわけで、魔法などというものは呪文を唱えればなにかしら非日常的なことが起きる、という形態で基本的に十分なのですよ、私は。
主眼におきたいのは、呪文を唱えた結果何が起きたか、です。
あるいは、そのような魔法の力を持っていたら何をするか、を書きたい。
とはいえ、さすがにアブラカタブラ~と唱えると不思議な出来事が起きるというだけでお話をつくるのは難しいので、簡単なルールや法則などは用意します。
その辺は古今東西の童話や小説、映画など各種物語に登場してきたものをもとに使いまわしているので、難しいものではないです。「王子様のキスで呪いが解ける」とかいったレベルですね。
オリジナルの法則も用意することもありますが、基本的に単純なものです。
本作はテレビアニメなどでおなじみの魔法少女たちが力を失って流されてくる施設で繰り広げられる物語なので、基本的に魔法少女アニメでおなじみのルールを採用していますね(後天的に魔法の力を授かった女の子は魔法の道具を破壊されると魔法が使えなくなり戦闘力が落ちる、等)。ですので、やはりそんなに難しくは無いはずです。
あと、オリジナル法則を用いるときは作中でそのルールは明示するようには心がけています。
――この世界観に登場する異世界の主要文明圏で使われる魔法にはなにかしら法則やプログラミング的なものに基づくもののようですが、藤子F不二雄の「チンプイ」に登場する科法のようなものじゃないのかな~多分……みたいなイメージしかできておりません。貧相ですみません。
※以下終盤のネタバレ※
本作主人公はもともと兵器として開発された人造の魔法少女という出自のためか、物質に対して非常に強力な効果を発揮する魔法がつかえます。その分、精神面に関する魔法に関しては効きづらくその魔法の気配も感知しにくいという特性があります。
幻影や幻惑を主体とした魔法が効かない等その性質が強みを発揮することもありますが、優れた魔法の使い手によって魂が肉体から切り離されると全く何もできなくなるという大弱点があります。アストラルかつエターナルな存在になって地球全体を愛に包み込むような、魔法少女ジャンルでは最終奥義的な大魔法が体質的に絶対使えないという特性を持っているのです(ここは作中では触れていませんが)。
対してラスボス的な存在は、精神に働きかける魔法の優れた使い手であるため自分の魔法と相性の悪い主人公にもともとうっすら反感を抱いています(性質や根性、普段の素行が気に食わないといったシンプルな理由もありますが)。
また、彼女の魔法は精神面でなにかと感応しやすい気質のヒロインに対してはかなり有効なものでもありました。もともとのお互いの性格や気質、それから同じ境遇から生き残ったサバイバーということでヒロインと共依存的な関係に陥っていたわけですが、この魔法の質の作用がより強固にしいていた――という風に書けているだろうか。ちょっと自信が無い(この辺は余裕をもって伏線はりつつ、ねっちりみっちり書けていたらよかったなぁという悔いが無いでもない)。
この両者の魔法の質の違いは、ラストバトルを書く際に結構気をつかって描写していたように記憶しているけれどちゃんと功を奏していただろうか……? なんか説明過剰になったなあ……。
なおヒロインの魔法はシンプルにバトル専用の攻撃特化型魔法ということになっています。それ以外のことはあまりできませんが、敵を打ち砕く、そして生き残るという点にかんしてはかなり強いということになっています。
ラストで受け継ぐ魔法は、本質的に相性が良いものではないので本来の使い手よりは効きが弱い──ということにもなっています。
『カクヨム作者はカク語りき』 ピクルズジンジャー @amenotou
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