広辞苑と新漢和辞典(大修館書店)を最初の五行で放り投げ、
五行も読んだので悔しいから1話くらい読んでから挫折しよう…と読み続けたのですが、
気がついたら短編二編、完読していました。
無数の難語、そして読点皆無。
読みにくいと思うでしょ?
ところが、何故かとても読みやすいのです。
家人の夕飯の誘いも断って、一気に読んでしまいました。
メロディーもハーモニーも極力捨象した(難語に負け私は勝手に捨象してしまいました)バッキング・トラックかドラムソロのような小説…と感じながら読みましたが違いますか?
約二時間(一時間かも)私は時を忘れポーカーフェースの天才ドラマーが綴りだすグルーヴに酔い痴れていました。
九頭龍様は「オチ」について語っておられますが、極上のドラムソロにオチは要りませんよ。
ドラムソロの最後の一打(ネタバレになるので書きません)が心地よく響く小説です。
私は、いまから冷めた夕飯を食します。