自分が貧乏くじを引いてしまっていることを自覚して、それを嘆きつつも、言われたことを正直に一生懸命に達成しようとする主人公に、感情移入していました。細やかな情景と心理描写によって、彼と一緒に走っている感覚を抱きます。最後は幸福な気持ちに包まれました。
貧乏くじを引く人は、きっと良い人なのだと思う。それを再認識させてくれるお話です。きっと、人が良いから自分よりも他人を優先させてしまって、結果貧乏くじを引くのでしょうね。でもそれは、「人に優しくできる」という能力ゆえなのでしょう。周りから「お人好し」だとか「人が良い」とか言われていても大丈夫。見ている人は、見ているのですから。
常に雑用まで押し付けられてしまう結果、貧乏くじばかり、引いてしまう主人公。急ぎの書類を届ける途中、様々な障害が現れ、指定の時間に遅れそうになるが──。急展開の先には予測しなかったラストが待っています。最後に引いたくじの結果を、どうぞ確認してみてください。