夢を喰らう猫の話#400字アタック

大臣

君はいつから「ヒーロー」とか「アイドル」とかの、突飛な夢を見なくなった?ああ良い良い、答えなくて。覚えてないだろうからね。


現実と折り合いをつけた結果、見られなくなったそういう夢たちは、かつて夢を見ていた人々に復讐しようと息巻いていてな、色々な形で顕現しようとする。


鬼、ドラゴン、魔女。


古い記録とかにあるそいつらは、みんなそういうやつだ。


え?


それにしては数が少ない?


ははは。確かにな。でも話は最後まで聞けよ。


その理由は二つある。


一つは、絶対数が多いわりには、悪事を企む夢は少ないんだよ。夢は夢で、折り合いをつけてる。


二つ目は、


悪事を企む夢たちを、現れる前に喰らい、現れた夢を、勇者とかに変身して倒し、残骸を喰らう俺たちのような猫は、どの街にも一定数いる。条件はたった一つ。前世が人間であること。まあだから、最初の質問をしたんだがな。


何? 今日が君の初仕事なのか。健闘を祈る!

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