第2話 押したり引かれたり(上)
僕は家に居ることができなくなった。
理由は明白、チビの方の妹の食べ掛けのケーキを食べてしまったからだ。
まあ、怒られることに無理はないと思う。
でも、食べたのはお腹が空いていたからではない。
決して 断じて ウソ偽りもなく
賞味期限が既に1日過ぎていたからだ。
ナマモノを甘く見てはならない。
僕は一度チーズ味のスイカを食べたことがある。その時、トラウマになった。
文句を言うなら、一週間前に買っておいて冷蔵庫に放置していた馬鹿の方の妹が悪い。
阿保の方の妹にこんな危険な物を食べさせてはいけない、と思って身代わりになり処理してあげたのだから「お、お兄ちゃん……ありがとう……」の感謝の一言ぐらい尊敬する兄に言って欲しいものだ。
生クリームが少しついていた皿を見た瞬間に問答無用で腕を縛られて外に押し出されて捨てられた。
そんな妹は僕ぐらいしか持っていないだろう。
まだ僕の腕を縛っていた物がガムテープだったから良かったものの、家の鍵を貧乳の方の妹にかわれてしまった。
デカイ方の妹は夕方、母は7時ぐらいにしか帰ってこない。
今の所持品って言ったら、昨日買った腕時計と外に置いてある自転車と腕時計の残金の171
円。
家に入れず外に野放しにされてどう時間を過ごせば良いものか。
そんなこんなで僕は巨乳の方の妹が帰ってくるまで外をぶらぶらと観光することにした。
時計を見ると今の時刻は7時25分をさしている。
つまり、あと6時間25分も聖域でだらだらできずに何処かを移動しなければならないと言うことだ。
決めた。まずは図書館に行こう。
この40度と言う異例の気温が続いている中、インドア派の僕には外は絶対無理。亀が自分から甲羅を取り外すくらいだ。
まあ、そんなことしたら死ぬ。あれ結構グロいから記憶に残っている。
(舞台裏:感想や改善してほしいこと、思ったことがあればコメントお願いします。🙇)
刻み言 @4404
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