第9話
その後、意を決したかのようにユリナが再び話し始めた。
(わたしはその穴の中を永遠に続くような長い時間落ちて行ったの。でも穴の底に着いた時、不思議な事にまったく痛くは無くて、柔らかい草の生い茂った草原にいたの。そこはたぶん天国じゃないかと思ったわ..。)
'(ふむ、天国だと?それは実に不思議な体験をしたのだね!)コナリーが興味深そうな顔をしてユリナの方をそっと見つめた。
(その時、わたしに近づいて来る1人の気品のある白い服を着た中年の男の人がわたしに話しかけて来たの。
(君は本当に死んだわけではない。一時的に仮死状態に陥っているだけだ。じきに復活するのだよ。)とその男の人は静かに告げたわ。
(それではここは天国ではないのですか?)わたしの質問にその男の人はこう答えたわ。
(ここは迷える魂が一時的に集まる場所で、君たちの思っているような天国ではない。ちなみに私の名前はルゴラムという。私は宇宙の生命を司る精霊なのだ。そして君は地球ではすでに死んでいるのと同じ状態だが、別の新しい世界で蘇るであろう。ただ、しらくの間はその新しい世界に溶け込むのは難しいであろうが、すぐにその世界が好きになるだろう。ちなみに地球の事をその世界ではブラック.スターと呼んでいる。)
その時、わたしはふと疑問を口にしてしまったわ。
(その世界というのはいったいどこなのですか?)そしたら、そのルゴラムという人はこんな事を言ったの。
(今はまだその事を言う時期ではない。ただその世界で君には果たさねばならぬ使命があるのだ。さあ!それではその世界に行くための心の準備をしなさい。!)その人がそう言うと同時にわたしの体は真っ白な霧に包まれてどんどん上へと登って行って、たちまちわたしは気を失ってしまったの。そして目が覚めたら、コナリーさんと初めて出会った山沿いの道に倒れていたの.,。わたしがあの黒い星を指差したのはあれが地球だと直感で分かったからなのよ。)
聖剣の守護者 @nobuokitajima19521117
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