壮大さ、人間くささ、信念の美しさに魅了された

土佐の戦国情勢と平家伝説を中心に、ストーリーは進んでいく。
実在・架空も含め、多彩な人物達が登場するなか、個人的にもっとも魅了されたのは、人外の白だ。
壮大なバックグラウンドを持ちながらも、人間以上に人間くさく、かつ、美しい信念の持ち主であるこの白の造形の秀逸さこそが、本作品の印象深さの源泉になっていると思う。

文章がたいへん達者であり、豊かな伝奇性の中に、格調の高さが光っている。