第7話 登場人物一覧 その6 上田 春子/風祭 涼子
◆
成海達の通う県立東浜高校で教師をしている20代の女性。
担当教科は社会科で、主に1年生の授業を担当しています。
推理小説研究部、略して推小研の部活顧問でもあります。
身長は160センチ前後とやや高く、中肉中背です。
癖っ毛の為か、髪形はややウェーブがかったロングヘアです。
誕生日は不明。
上田先生は、成海達が1年生だった当時に新任の教師として赴任して来て今年で3年目に突入した、学校では比較的若手の先生です。
赴任以来の2年間はいずれかの学年のクラスの副担任を務めていました。
彼女はやや
彼女が教育に臨む姿勢にはメリハリがあり、宿題の提出や学校内外での生活態度など、最低限の決まりとルールに付いては、実に強力かつ
しかし、そうでは無い事、つまり「個人・団体の自由」の
憲法や法律、国連の国際条約等により自由が保障された領域について、助言を求められ無い限りは、自分からはノー・タッチの立場を
この上田先生の生徒各自の自主性、自立、そして自律を重んじた教育姿勢は、先生が社会のあり方を考える上で、単に1789年のフランス人権宣言のみならず、その後に発展したより洗練されたリベラル思想であるモダン・リベラリズム、即ち「近代自由主義」の立場を取っているからかもしれません。
自由・権利と責任はまるでコインのウラ・オモテの様に
一言で表すなら、「自分で判断するなら、自分で責任を持つ事」、これが上田先生の教育基本方針です。
責任を持てないのなら、独自の判断による行動は止め、保護者や学校の先生の指示に従って動きなさいと言う、教師と生徒と言う立場の違い、つまり上下関係の強調です。
これが出来なければ、社会人として使い物にならないだろうと言う上田先生の強い教育姿勢は、担当教科が理数系の先生にはあまり見られない種類のものかもしれません。
また、彼女はやがて社会人になって行く高校の生徒達に対して、コンプライアンス、つまり
基本的に犯罪行為となる行為は、例えそれが過失の上の出来事であったとしても、不慮の出来事であったとしても、その指導の手を緩める事無く指摘し、教育します。
上田先生にとっては、通常払うべき注意を払おうとし無い態度すら故意に等しく、そんな不注意は、もはや「未必の故意」なのです。
これは生徒を犯罪に巻き込まれ無いように注意を促す教育者としての姿勢であると同時に、地方の公立高校の教師と言う自分の立場を防衛する為でもあります。
更には、責任ある自由を全うして、初めて人は権利人となる──上田先生のこの考え方は、大学時代に法学部の友人との付き合いが多かった為かもしれません。
この様に、上田先生の指導方針は、是々非々が非常にはっきりしており、やるべき事さえきちんとやっていさえすれば、地方の公立学校にはありがちな理不尽な規則で生徒達を縛る事が無いので、成海達とは異なる、やや不良系の生徒達にも一定の人気を獲得しています。
◆
成海達の住む地方都市にある大病院で、診療と治療を担当している女性医師です。
年齢は40代後半。
専門は救急医療と整形外科、精神科。
身長は高く、165センチ前後。
体格はやや大柄です。
誕生日は不明。
風祭先生はかなりカバー範囲の広いお医者さんで、海外での研修も受けた事があるらしく、主に救急医療と整形外科を専門としており、特に事件・事故による外傷の治療に当たってはかなりの腕前の持ち主です。
更には、厚労省の認定を受けた麻酔科の専門医でもあります。
外科の経験が多く、医師の数の多いかなり大きな病院でも、屈指の名医と言えるでしょう。
ほぼ術後ケアが中心ですが、精神科についても
そんな風祭先生は、初めの方で紹介した成海隆一の友人である有栖川すみれと親しく、隆一もその繋がりで先生と知り合いました。
性格は経験を重ねた医師らしく、非常に落ち着いているのですが、それゆえに興味の範囲が狭く、
南雲千歳の作品に登場する人物の一覧 南雲 千歳(なぐも ちとせ) @Chitose_Nagumo
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