あなたは…ヤギね! おまけ話

ふぁんどりぃ

お留守番のボス

【まえがき】 

 これは、ロッジアリツカでお留守番をしているボスのお話です。詳しくは『あなたは…ヤギね!』で。

 本編ではボスのセリフを『カタカナと漢字』で書いていますが読みにくいので、ここでは普通に『ひらがな』も混ぜて書いていきます。それでは、おまけをお楽しみください。


***


 タイリクオオカミ、アミメキリン、アリツカゲラ、ハシビロコウが旅立ってからしばらく経ったね。そろそろ、みずべちほーのフレンズたちにジャパリまんを配る時間だ。

 留守番の交代をしに、代わりのボクが来るはずなんだけど……来るはずなんだけど……。


 検索中、検索中……。


 この辺りにボクは居ないみたいだね。おかしいね。さっきまではこっちの方へ歩いて来ていたんだけど、どうしたのかな? 仕方がないから、別のボクを呼ぼう。


 連絡中、連絡中……。


 この辺りを歩いている様で、すぐ来てくれるようだ。よかった、よかった。じゃあ、ロッジの玄関前で待っていよう。まだかな、まだかな?


***


 あわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ…………。

 一時間も経つのに、別のボクの姿さえ見えないよ。そして、夕方だ。みずべちほーのフレンズたちがお腹空かせてないか心配だよ。


 確認中、確認中……。


 別のボクが何匹かで対応してくれているね。ああ、ひと安心だ。でも、別のボクたちはどこに行っちゃったんだろう?


 ガサゴソ、ガサゴソ……。


 ああっ! 他のボクが遅れてきてくれたのかな? やったねっ! 助かったよっ!これでいつものお仕事に戻れるね! やったねっ! やったn……。


「えへへっ! ここにもボスがいたよっ!」

「リ、リカオンッ!?」


 なんでリカオンがここにいるのっ!? いつもは、ヒグマとキンシコウたちと一緒に、みなとの周辺を行動しているんじゃなかったのかな?


「この辺りにボスたちが集まっているって、聞いて来てみたら……天国じゃないですかぁっ!」

「あわわわわわわわわわわわわわわ……」

「助けて……助けて……」


 両手には、ボクが呼んだ別のボクたちが抱えられている。力強く抱えられているのか、身動き一つ取れないみたいだ。

「アリツカゲラさんのロッジの中にもボスがいるかもしれないっ! 入ってみようっと!」

「わわわ……。リカオン、やめて。中には誰もいないよ……」

「あれ? ボスが私に喋った……喋ったぁっ! わーいっ!! ボス、中でたくさんお話しましょうよっー!!!」

「アミメキリン、タイリクオオカミ……助けて……っ!」

 それから、ボクたち三匹はリカオンからたくさん話しかけられたんだ。って言っても、リカオンの一方的な会話で無視(と言う名の無干渉)をしていたんだ。

 他のボクたちに助けてもらおうと、三匹で呼んでみたけれどリカオンが次から次へと到着したボクたちを手籠めにしていったので、埒が明かなかったんだ。……早く放してくれないかな。


「どんどんボスが増えていくよ~☆ やっぱり、天国ですっ!」

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