最終話 ただいま
10年後、私は女優として主に舞台を中心に活動している。しかも、彼のために作った曲で2週間後には歌手としてのデビューも決まりそうだ。
あの時、彼は暫く抱き合った後こう言った。
「俺はこのまま警察に行く。そして新しい夢を追う事にするよ。キミはそのまま夢を叶えろよ。そうしたらきっと、いつかまたどこかで会えるから――」
その言葉を信じて、今日も私は稽古に励む。
いつか彼が帰ってきた時に褒めてもらいたいから。
もう二度と、毎日をネットに籠もって愚痴を吐きまくるような日々にしたくないから。
彼の事を考えていたら、私はいつの間にか歌を口ずさんでいた。
すると、不意に稽古場のドアが開いて無精髭を生やしてボロボロの服をきた男が入ってきた。
私は目を疑った。
「気がついたら、ここに来ていたんだ。」
そう、雰囲気は変わっていたがその男性は間違いなく彼だった。
彼は言った。
「ただいま。」
「おかえり。」
二人の互いを思う気持ちが、奇跡をよんだ。
END
ネットの上のラプンツェル 若星 明花 @hime_mirea_256
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