何もない街

いい年してフリーターとして生き続ける男、トオル。そんな自分を変えなくてはいけないと思いながら、どこかぬるま湯みたいな、この生活から抜けられずにいた。実家は近くにあるが、帰っていない。一人暮らしの気ままな生活を続けるも、やはり寂しさは募るもの。そんな時、とある番組でフィギュアを愛でる中年男性の姿を観たトオル。初めは興味本位でフィギュアを購入したものの、徐々に依存していくトオル……自分はこんなにも寂しかったのか、とそこで初めて気が付くが…。