キミはワタシであり、ワタシはキミである。
不思議な話でした。キミは夜を越すために黒いゴミを籠いっぱい拾う。
そしてワタシは白いものを海の向こうに届くようにと投げる。
キミとワタシは個々のようで個々では無い。
キミとワタシは繋がっていないようで繋がっている。
ふとマウリッツ・エッシャーの流れ続ける水や上がり続ける階段の絵を思い出した。
どこが始まりなのかわからないが、常に何処かへ動いていく感覚。
文章の世界であの感覚を味わえるとは思っていなかった。
これは絵本にすると面白いと知人が言っていた作品。
本当にそうだと思う。
時間を置いて、何度でも読みたくなる。
きっと二度目はまた別の何かを思うのだろう。