第四話 思い出~その二~

 桜の花開く前 

 学校のそばを通ったら 

 Sちゃん、

 君のお子さんの

 名を呼ぶ声を聞いたよ

 思わず君に知らせたいと思い

 メールをしようとして

 気が付いたんだ


 アドレスはそのままだけど

 もう君は居ないのだと

 自分の記憶の悪さに

 思わず笑ってしまったよ


 空き地に増えたソーラーパネル

 君は 暑いのよ

 なんて閉口してたっけ

 あちこちで見掛けては

 君の言葉を思い出してる


 まだ信じられないんだ

 君の祭壇に お参りに行ったのに

 君が この世にないなんて

 Sちゃん

 声も姿も覚えているのに

 もう会えないなんて


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言の葉 ~S嬢に捧ぐ~ 森乃 梟 @forest-owl-296

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