第14話 純花の1日
「おい、起きろ。遅刻するよ。今日は誰だ?」
「純花」
準備が終わり学校に行こうとすると親父に呼び止められた。
「そうだ純花、前回出てきたときに
「あぁ、わかったよ。行ってくる。」
学校に着いて、教室に行くとみんなが誰だか当てにくる。めんどくさい。今日はアタシだと知らせるために職員室に行こうとした。すると斗馬が
「どこ行くの?俺もついてっていい?」
と聞いてきたから玲歌のふりをして
「うん、いいよ!」
と明るく答えた。
他にも何人かついてきたけど気にしないふりをした。いつもならムカついて怒鳴ってるころだが頑張って耐える。職員室に着くとアタシノックしてドアを開けて言った。
「失礼します。1年1組元橋玲歌です。副校長先生はいらっしゃいますか?」
校長の呼び出しをくらったときは副校長を通さないといけない。くそめんどい。
「元橋さんか。どうした?」
「この前の慧介くんのことで校長室に行くようにと今朝、父に言われたので。」
「そうか。じゃあ直接昼休みに校長室に行きなさい。」
「わかりました。」
アタシのことを玲歌だと思ったのか着いてきた何人かは先に帰っていた。それを狙って教員室で玲歌と名乗ったのだ。みんな騙されちゃって。ざまぁ。
教室に戻ると、既に黒板には『玲歌』と書かれていた。だからアタシは斗馬に、
「斗馬、今日は玲歌じゃない。」
と言った。
「でも、さっき…」
「ほら、あれは教員室だったから。ちなみにアタシは純花だよ。」
アタシが言うと慧介がビクって後ずさった。
「あ、そうそう。慧介、今日の昼休み校長室な。」
「え?あ、うん。」
そういえば、昨日陽一が、、
「英助、昨日陽一が書いてた手紙。なんか次出てくる時まで待てないからだってさ。」
「おぉ!待ってた!!ありがとな。」
「中身は?」
中を確認していた英助に斗馬が言う。
「なんでもない。」
英助がそう言うので純花が変わりに答える。
「陽一のナルシストぶりを英助に伝えるための手紙だ。1日の生活を事細かに書いてたぞ?」
みんな驚いてる。
「陽一のナルシストぶりはすごいからな。玲歌の成績が下がっちゃうよ。」
(ヤンキーっぽい純花の方が下げてるでしょ。)
とみんな思っただろうが、気にしない。
・
・昼休みの校長室
・
「元橋さん、なんで殴ったりしたの?」
「いや、なんか、遊び行こうって誘ったのに無視されてムカついてきたんで殴っちゃいました。」
そんな反省のカケラもない言い方をしたせいだろうか。長い長い説教を聞いてから校長室を出た。
めんどくせぇ。
DID ~多重人格の私~ 緋都 歩夢 @ayumuu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。DID ~多重人格の私~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます