第2話

毎日、ベッドから落ちる母のために柵をつけることにした。

ショッピングモールを見てまわってると「だから、いらないのにー!!」と小さい子みたいに頬を膨らませて、俺の腕をブンブン振り回す母さん。


「母さん、痛い。」と俺が言うと

「あ、ごめんね。」と母さんは手をぱっと離した。

「毎日、落ちる音で起きたくない。」これは俺の本音だ。誰だって、人が落ちる音で起きたくないはないだろう。


いろんな店があるんだな....。なんて思いながら見ていると、母さんに呼び止められた。

「見て!かなちゃん!これ可愛いよねー!」と母さんは、ピンクの部屋着を俺に見せる。

「母さん、買っても着ないでしょ。」と俺が反論する。

「ななちゃん、似合うよね!ななちゃんに着てもらおう!」とカゴにどんどん部屋着を入れていく。

「そんなにいる....?」と見ているこっちが心配になる。

結局10着ほどの部屋着を買っていた。


買った部屋着を一旦コインロッカーに預けて、ベッドの柵を見に行く。


「ベッドの柵っていろんなのがあるんだな....。」とかなたは、ベッドの柵を見ていた。


一方、ひなたは、「このベッド大きーい!いいなぁ。買っちゃおうかな。」と言いながら、ベッドにダイブしていた。

「母さん、はしゃがない。」とひなたをベッドから引き剥がすと「どれがいい?」とひなたに聞く。


「んー....あっちの大きいベッドが欲しい!」

「よし、このサークルベッドにします。」

「え、やだ。」

「仕方ない。これが1番の安全策。」

「やだ!」と母さんが駄々をこねるから、ななにLINEで聞いてみることにした。



(talk:1:かなた:サークルベッドと奥に写ってる大きいベッドどっちがいい?)


(talk:2:なな:おっきいベッドがいい!)


んー......。とかなたは考える。


「マット買って、下に引くか......。」とかなたは呟いた。


「母さん、ななと一緒に寝るなら、大きいベッド買うけど、どうする?」とかなたが言うとひなたの目が輝いた。


「やったー!かなちゃん優しーい!」と俺に抱きついてくる。


「母さん、恥ずかしい!!」と俺は全力で母さんを引き剥がす。


「えー!」と不服そうだが、母さんが渋々離れてくれた。



店員さんを呼び、ベッドを購入した。


ベッドは後で家まで送って貰うことにした。

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立花さん家は大忙し。 宮下ゆずき @miyasita_yuzuki

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