第31話 事件の後で

 学校は直ぐに元通りになった。

 行方不明になった人は誰もいなかった。

 信じられないことに、その事件を覚えている人は他にはいなかった。知っているのは私たちだけ。他の人の記憶は消されたらしい。


 更に信じられないことに、正宗と夕凪は学校へ堂々と通っていた。

 特に何かするわけではないが、羽里が星子にちょっかいをかける瞬間だけは見逃さないようだ。


 あのロボット、エリダーナ・セイバーはミミ先生の家に保管してある。そして、霊力駆動型のロボットも追加で配置された。星子は何故かその霊力駆動型の操縦適正があるらしく、専用の物を貸与されたらしい。

 三谷の自宅が広いとはいえ、10m級のロボット二機が入るわけがない。このロボットは、三谷が発明した異次元倉庫に隠してある。戦車はそのまま一階に保管されている。警察やら自衛隊やらの世話になりそうなものだが何故かおとがめはない。


「何処かから盗まれたものなら探すだろうけど、そんなものは何処にもないからね。砲身はプラ製のギミックだしいいんじゃないの?」とは三谷の弁である。砲身や弾薬、機関銃は例の異次元倉庫に隠してある。

 

 星子は相変わらずボーっとして妄想の世界に浸っている。最近はアカンサスやゼクローザス、リナリア等の単語が追加された。これは、異星人から貸与されたロボットの名前とその派生型らしい。そんなものでご機嫌になれるのだからこいつは幸せ者だ。


 当の本人が何を考えているのかはわからない。

 私も、羽里も、正宗も、告白の返事を聞かされていないからだ。


 しかし、私はいつも星子の傍にいる。

 私が常に隣にいる。

 星子の一番は私だけ。

 この事実が私を満足させる。

 そう考えると私は幸せになれる。


 さあ、今日も羽里の馬鹿から星子の胸を守るぞ。

 私の日々は充実しているのだ。

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おっぱい告白戦争 暗黒星雲 @darknebula

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