自分の嫌いな面は誰でも持ってて、それが無くなったら一時的には喜ぶけど、自分が自分でなくなってしまいますね。全部含めて自分なので、そんな自分を好きになっていこうと思わせてくれました。とても面白かったです。
このレビューをネタバレせずに書くのは非常に難しくて……というのは、読後のメッセージ性が強すぎて、その思ったことを書こうとすると盛大にネタバレになってしまう。というほどに、短いながら綺麗にまとまり落ちた、良作です。人間誰しもコンプレックスがあると思いますが、さあ、いざ売ってしまうと?
ボク、清々しくて図々しいあのおじさんが好きです(個人的欠点こそがあなたを象徴する、とは言わないなくなって初めて気がつく大切さ戻ってきて心から安堵する欠点隠すより、ありのままのあなただから好きになれると思うのです(੭ु´。•~•。`)੭ु
いかくろかさんの短編は、「過剰と欠落」「個性とは」といったテーマを内包しています。この作品では身長が高すぎる男が主人公です。そしてオークションにかけることに。なるほど、当たり前にあった過剰さを売り払ったことで「当たり前にあった個性」を捨ててしまう。大変シンプルな筋立てですが、語り口の妙によって、この短編はとてもリーダブルです。頭にすっと入ってくる。そして、この質の高さに唸らされます。