第4話  美月と俺と日常と

「できたよー」

「ほーい」

美月と同居生活が始まってから自分がどんどんダメ化していってる気がする…


「「いただきます」」

今日の夕飯は、鍋だ。

冬場の定番だ。体は温まるし、野菜なども簡単に摂取できるため好まれる。


「ねえ、亜希君?結婚式場って和がいい?洋がいい?」

そんなこと聞かれても困るだろ…でも、洋のほうが多いよね

「決まってないけど、今のところは洋の方面かな?」


「じゃあ、子供は何人ほしい?」

「え…、一人はいたほうがもっと楽しくなると思うけど…」

「そっか、じゃあ今からさ、作ろ?」

「え!?。え!?」


「体、あったかいでしょ?それを鍋を食べたからだと思ってるかもしれないけど、これ媚薬入りなんだよね」

「だから。さっきからテントをはってるんだ…、ってそうじゃない。まだ俺たち高校生だよ?お金とかはどうするのさ」

「安心して、私ならどうにでもしてあげられるから」

「そういう、問題じゃない気が…」


「何?私とじゃ嫌なの?」

「そんなわけないだろ!!嬉しいに決まってる。だけど、世間からの冷たい風を受けるからまだ子供は早いって言いたいの」

「そっか。しっかり考えてくれてたんだね///」

「じゃあ、ゴムありですれば問題ないよね///」


その後、なくなるまでめちゃめちゃ、した。

「アレ…これ、穴空いてるんだけど?」

「あっ…、穴開けたやつも渡しちゃった。てへっ☆」

「HAHAHA、このうっかりさんめ」

「って、やばいでしょ!!。」

「できたら私を捨てる?」

そんな上目遣いで見てこられたら、どんな男もいちころだ

そして、そもそも捨てるなんてことはない

「そんなわけないだろ!!冗談でも言っていいことと悪いことがあるぞ」

「ご、ごめん。でも不安だったから…」

「そっか…」

「ピルだっけ?あれって体に良くないから服用してほしくないな」

「わかったよ、亜希君はどこまでも優しいね。」

「そうかな?ただ好きな人に健康でいて欲しいだけだよ」

「そっか、次回からは気を付けるね」


あれから、数日して

「亜希君、できちゃってた」

「そっか、おめでただな」

「でも、いいの?今ならおろせるよ?」

「あのな?前も言ったけど、美月の体に悪影響を及ぼすものはしたくないの。

だから、これからしっかりと育てていこう」

「うん…」


高校ももうすぐ終わり、進学か就職かに別れる。この学校は、半々なので美月に子供ができた今俺は就職を希望する。

「一応、両親に報告しておくわ」

携帯を取り出すと美月が

「まって、今日一緒に行こう?流石にメッセージだけってのはいけない気がするから」

「わかったよ、それとあんまり無理するなよ?もう一人だけの体じゃないんだからな」

「うん…」

美月はお腹を軽くさすっている。

今までが可愛いだったのに対して凄く美しかった。


俺は時間を確認すると教師がくるまで、まだ5分が残っていた。

すると、美月が教壇へ上がっていった。

「みんなに知っておいて欲しいことがあります」

俺は、汗が尋常じゃないくらい出てきた。

「私は、好きな人と結ばれて今、私のお腹には、新しい命があります。」

そこで、周りが騒然としていた。

当たり前だ。みんなからの人気者の美月のお腹には新しい命が宿っている。

それも、好きな人と言っていた。

現実に戻ってきたみんなは、「お前か?」 「お前なんじゃないのか?」

などと、変な探り合いが男子の中で始まっていた。が女子のほうは、俺を見て口パクで『おめでとう』と言ってきたり視線がそう伝えてきた。

「なんで、女子はわかってるんだよ…」

そうぼそっと呟いた。


そして、俺は教壇に上がってくるように手招きされて、そのまま上がった。

「えーと、なんていえばいいんだ…?。なんていうか、俺が支えられるところは支えていきたいと思ってますが、もし困ってるところを見つけたら助けてあげてください。お願いします」

俺は、深く頭を下げた。


「頭を上げろよ!!」

「そうだぞ、俺らが美月ちゃんに今までしてもらったことの恩を今返す時だ!!」

「そうだね、みんなやるぞー」

「「「おー!!!」」」


思わず、俺と美月は泣いてしまった。

「このクラスで良かったよ…」

「だね…」

俺たちは、担任にも話をした。

「そうか…、亜希美月をしっかり支えてやれよ」

「はいっ」

「美月、無理はするな。」

「はいっ」

「最後に、世間からの風当たりは強いかもしれないが、それに負けるな!!。

お前たちの人生だ、周りのことなんて気にするな!」

「「はいっ…」」

恩師に会えてよかった。

普通ならこんなことを言ってくれないだろう…



「美月、これからもよろしく」

「こちらこそ、亜希君」

俺たちは、抱き合った





「母さん父さん、美月との間に子供ができた。」

俺は、どんな罵詈雑言も受け止めるつもりだった。

家を出るときは、大人になるだのなんだの言っていたが、子供ができるとなると話は、違うだろう


「…そっか。亜希は美月ちゃんのことを本気で愛してるのか?」

父さんが問いかけ母が、俺の瞳を見て聞いてきた。

「俺は、本気で愛してる。たとえ、周りからの評価がひどくても美月となら進んでいける」

しばらく顔を母は、見ていたが本気だとわかったのか。父さんと頷くと

「わかった。ただし、途中でやっぱだめだ…とか美月ちゃんと別れるなんてことになったら招致しないよ」

「ああ、わかったよ。」

「「美月ちゃん、こんな息子だけどよろしく(ね)」」

「こちらこそ、よろしくお願いします」




「美月のご両親にもあいさつしたいんだけど」

「そうだね…、じゃあいこっか」

俺と美月は、パリまでいった。


「うわ…ホントにきたんだ…。」

自慢じゃないが日本語以外できないので美月とはぐれたら死だ


「はぐれないようにね?」

美月は俺の手を握る。

俺も手を答えるように握り返す。


「お父さん、お母さん、私この人と生涯を過ごします。そして、今私のお腹には新しい命が宿ってます。この命もしっかり育てていきます」

「あらあら久々に会ったと思ったら…」

美月の母親が頬に手を当て困った様子を見せる

その直後

ドンッ

と大きない音がした。


「人の娘に何手え出してんだ。しかも孕ませるだと!?ふざけんな!!」

「あなたちょっと、黙れ…」

美月の父親が怒り狂ったと思ったら、母親がすぐに羽交い絞めで意識を持って行った。


「びっくりさせてしまってごめんなさい。美月がそうなるようにしたんでしょう?」

正直、そうだともいえるがどうこたえるべきかと悩んでいると

「実は、こうなる予定じゃなかったんだ…」

美月が、怒ったことを話した。


「なるほど、亜希さん。こんな娘ですがよろしくお願いします」

「こちらそ、よろしくお願いいたします」

俺と美月は明日も学校があるので、日本に帰るため空港に向かった。


「あの子たち、昔の私たちに似てるわね」

「そうだな、懐かしい…。つい勢いで怒鳴ってしまったが彼はどうだと思う?」

「私は、彼なら幸せにしてくれると思いますよ」

「私もそう思うよ。怒鳴られた時の彼の瞳には強い意志が現れてたからね」

「たまには、私たちも…」

「ほどほどにしてくれよ…」






あれから数年

「お父さん、あそぼーーー」

「駄目、お父さんはお母さんをかまわないといけないの」

第一子は女の子で元気に生まれた。

名前は、陽華はるかに決定した。

太陽のように朗らかに育ってくれるように。


「陽華、美月、少し寝かせてくれ。お父さんは、少し眠いんです。」

「えーどうして?昨日も陽華と一緒に寝たのに?」

「ちょっと、運動をしたからね…。ね?美月」

「そうね、激しい運動だった…」

こら、頬を赤らめるな。こっちまで恥ずかしくなって来る。


「陽華もする~。」

「大人になってからな…」

「え~」


俺は、日々幸せな生活を続けられている。

これが、ずっと続きますように






                                   (完)

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委員長?関わってき過ぎですよ? 黒猫 @Yazakai

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