お客様とキャストの軽妙な会話に、垣間見える深い人生観!

異世界にガールズバー。
いわゆる大喜利的な題材ではありますが、生きたキャラクター同士の魅せるトークが本作の醍醐味です。
本来相容れない他種族同士の絡みのギャップが面白く、気難しく触れてはいけないような話題も、酒の場ということで柔らかいものに上手くまとめ上げられています。
お客様もキャストもコミカルでアクの強いキャラクターでありながら、それぞれ共感できるような背景を持っており、話がはずめば弾むほど自分が話を聞いてもらっているような気持ちにさえなってしまいます。
二つの題材が決して単純な足し算ではなく、しっかりと特徴を生かした掛け算になっているのです。
個人的には負けた魔王と、勝った勇者の話が好きでしたw

ここは正統派異世界モノの舞台裏で、それぞれが持つ種族役割に愚痴を募らせる癒しの場。
読者として、客として、各々のエピソードに触れ「ここはいいところだった、また来よう」と思わせてくれる、そんなお話です。

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