ひよこがGMをやるときに心がけているいくつかのこと

この記事は TRPG なんでも Advent Calendar 2018 への寄稿記事です。

https://adventar.org/calendars/2901


   ◇   ◇   ◇


  タイトル通り、 GM やるときに心がけていることを列挙していったりする。

ここまでの記事と併せて GM の参入障壁が下がることに寄与できれば、と思う。



1. PC の呼び方


  セッション前の自己紹介後は必ず PC 名で呼ぶ。PL 名では決して呼ばない。ただし、PC 名が呼びにくい場合は PC にあだ名をつけたりはする。


  ボイセの場合、難読な名前が来たら必ず名前の呼び方を尋ねる。テキセの場合、漢字変換できない場合はかならず辞書に登録する。



2. シナリオの書き方


  回すときの癖を意識して書く。私は高難度目に書く。何故なら実際に回すとちょっと緩めにその場で調整してしまう癖が私にはあるからだ。シナリオを書くときは PC 不利に、シナリオを回す時は PC 有利に回す。あなたが回すときに厳しめにしてしまう癖があるなら逆のことをするべきだ。


  また、想定されるセリフは大体書き出しておく。テキセならコピペ、ボイセなら読み上げるだけでいけるようにする。大体改変が必要になるとはいえ、その場で考えて答えるよりはスムーズにいける。


  ちょっと過剰かな、位にシナリオを丁寧に書く。敵の出し方、セリフ、ギミック……そういったものである。



3. 悪党の出し方


  小物にしたいとか、小物っぽく振舞わせなければならないとか、そういった事情がなければかなりの強者として演出をする。味方のNPC には「やめておけ、あいつには勝てない!」とか言わせる。圧倒的な強敵を倒すから PC は強くてカッコいいのだ。何てことない敵を倒しても当たり前である。


  原則として悪党には PC 達を若干持ち上げさせる。部下に「けっけっけ、しかし〇〇様ならどうということはない相手、踏みつぶしてやりましょう」とか言わせた後に悪党に「そのように侮った末に奴らに倒された者の人数、数えたことはあるか?」とか言わせる。PC に対して油断しているのは小物であり、強者ではない。


  データ的にも「本当に勝てるのか?」と思わせるようにする。2連続で事故ったらヤバイ位を目標にするとよいか。この辺の感は難しいので難しいならば有識者と相談したりする。

  一気に攻めてくると厳しいが増援として戦力の逐次投入をすればそうでもなかったりする。手加減なんてナメた真似はせず、弱体化には理由を付与する。


  倒されるとき、理由がなければとことんカッコ悪くする。命乞いさせたり、ひどい断末魔をあげさせたり、うわごとを言わせたりする。それらは事前に用意しておくとスムーズになる。



4. NPC の出し方


  助っ人として同行したりする場合、PC より一歩か二歩劣る程度のステータスに設定する。「全部こいつでいいんじゃないかな」にならないようにする。

  ただし、足手まといには理由(護衛対象だとか)がない限りはしない。連れていく理由がなくなるのは避ける。


  悪党でも仲間でもどうでもいいキャラクター以外は記号を付ける。特徴を持たせる。エレガントが口癖だったり、やたらバラ推しだったり、ギロチンが大好きだったり、口癖があったりする。ないしは専用 BGM を持たせたりする。

  PLにとって分かりやすくしたり、あだ名をつけさせたりする。


  どうでもいいキャラクターはしばしば急に出さなければならなくなるので世界観に合致した名前は適当に用意しておく。



5. 例外対応


  報酬額が問題になるシステム(筆者がよくやるのだとソードワールド)の場合、報酬は最初、渡す予定の金額の半額~7割を提示する。報酬額でゴネられた場合に本来の額を示して増額したように見せる。

  ゴネられなかった場合は「期待を上回る手腕だったから」とか適当な理由をつけて本来の額に増額したように見せる。


  当事者性を付与する。「兵士に任せりゃよくね?」「館に火をつければよくね?」をさせないようにする。

  あなたじゃなきゃダメな理由、館自体が無傷で奪還されなければダメな理由を用意する。



6. 回す時


  意思決定が遅そうであれば意思決定を特定の PL に振っていく。もちろん、呼びかけるときは PC 名で。


  PC のレベルアップや高い達成値等にはちょっと大げさな位驚く。PL に PC のレベルアップを実感してもらう必要がある。「なんだその達成値?!」「頭おかしい数字だぞそれ?!」「馬鹿な、前回はそのようなことはなかったはず?!」なお、敵にこの手のことを言わせてもよい。


  PLの優れたやり方は些細なことでも誉める。ナイス提案とかナイスロールとか軽率に言う。PL間で既にそうなってる場合は頑張らなくてもよい。


  シナリオを書くときは丁寧に書いたギミックやセリフなどだが、いざ回す時はテキトーに扱う。テキトーに扱っても回せるように丁寧に書いてあるのである。省略すべきとか、そういった事情が発生した場合は放棄して次のどこかで使いまわす覚悟を決める。


  できる限り単調な裁定者として GM は振舞う。意思決定できかねている場合に良い手を提案したり、いくつかの案をメリット・デメリットを提示しつつ出す。それはそれとして悪党は悪党視点から最善手を採る。



  もしかしたらまだあったら追記するかも。


   ◇   ◇   ◇


  明日は中村久秀さんの『23日はDX3の日!一緒に遊ぶ人をDiscord鯖で探すのはいかが?』です。


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