きみを救う物語

作者 なにがし

31

11人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

まず基本情報として、この作品の一話一話はそれぞれ独立した話です。
一万文字の制限の中、四つの世界を書き分け、最後に綺麗にまとめた作者様の技量は素晴らしいの一言!
しかし、この作品の真骨頂は別のところにあります。

あなたは困っている人など誰かを救いたい、力になりたいと思ったことはありますか?
思ったことはあるけれども、
「私の力じゃ無理だ」と諦めたり、自分の無力さを恨むだけで終わった人が大半ではないでしょうか?

でも、違うんですよ。
大事なことは救えたかどうかの「力」や「結果」じゃなくて、
自分にできることを探して行動に移す「一歩踏み出す」ことなんですよ。
そうしたら、その踏み出した一歩が、
その人が思っていた以上に誰かを救ったり、力になったりするんですよ。
この作品はそのことを見事なまでに体現しています。

もう一度聞きます。
あなたは困っている人など誰かを救いたい、力になりたいと思ったことはありますか?
もし、思ったことがあるのなら、
「一歩踏み出して」今すぐこの作品を読みましょう!
たった一万文字の短編を読むだけで、
将来、あなたが救いたい人を救えるようになるかもしれません。

★★★ Excellent!!!

読了後の第一声はウィスパーボイスで「うんッ……めぇなぁー」でした。気色悪くてすみません。

本作は、時代と世界線を超えた救済と恩返しのお話。戦争、魔法、超科学、そして現代……と連作で続くのですが、とにかく「守られた側」の痛みの描き方が巧みで、それが読み手の痛覚にまで伝播します。そして、前半3話で守られたメルが与える側に回るのが4話目(現代の学校)なのですが、とにかくメルの「ここでいいよ」というセリフが、メルが自分の幸福云々ではなく、純粋に「救いたい」「ありがとう」の気持ちで動いていることを象徴しています。
何言ってるか分からなかったらごめんなさい。とりあえず読んでください。

★★★ Excellent!!!

何度生まれ変わっても、どんな世界線でも、必ず自身を助けて命を落としてしまう『彼』を救うために、次の人生でも彼の側に居続けるメル。
救いとは、一緒にいること。シンプルで真っ直ぐな彼女の答えは、幾万と繰り返し続けた生の中で得た真理なのかもしれません。
それすらする事ができなかった。きっと、救われなかったのは『彼』だけでなくメルもなのでしょう。
いつも当たり前のように隣にいる家族や友人など、『一緒にいられる』事は幸せな事なんだな、と改めて気づかされた良作でした。
短編で複数の世界観を描くなにがしさんの勇気にも感服です笑

★★★ Excellent!!!

これは、別れの話。
経緯はどうあれ、世界がどうあれ、少女が一人の青年と別れるお話。

ただそれだけ。

そんなわけがない。

高い筆力で描かれる万華鏡のような世界観、パズルのピースがハマっていくように明らかになっていく物語の全貌。

一万文字の制限の限界に挑んだ、異色の短編。

別れ、分かれ、それでも祈った末に少女がたどり着いた答え。

どうか、見届けてください。